NHK連続テレビ小説「ばけばけ」レフカダ・ヘブン役のトミー・バストウさんがコメント

「役作りすればするほど、ハーンさんとヘブンのことがすごく好きになりました」

 

27日から第5週「ワタシ、ヘブン。マツエ、モ、ヘブン。」が放送される連続テレビ小説「ばけばけ」。米国から英語教師として来日したレフカダ・ヘブンは、同僚の英語教師・錦織友一のサポートを受けながら、松江での日々を送ることになる。ある日、ひょんなことからトキと出会い、交流が始まる。

 

そんなヘブン役を演じているイギリス出身の俳優、トミー・バストウさんのオフィシャルコメントが届いた。

 

――出演が決まった時のお気持ちを教えてください

 

朝ドラのオーディションを受ける機会をいただけて本当にうれしかったです。そして、この役を引き受けた瞬間、たくさんの挑戦と大きな責任が伴うだろうと覚悟もしました。朝ドラは日本で多くの方に愛され、長く続いている番組です。そこにメインキャストとして外国人が出演するということは、自分が西洋を代表するような責任を感じました。

 

この作品を通して日本と海外の架け橋になれるよう、できる限りのことをしたいです。松江に来たヘブンへの期待がすごく高かったのと同じで、僕も「西洋から来た俳優さんが朝ドラに出るということはすごいに違いない!」というプレッシャーを感じながら、頑張ります(笑)

 

――ヘブンはどんな人物でしょうか?

 

ヘブンのモデルであるハーンさん(小泉八雲)は子どもの頃に両親と疎遠になり、痛みを抱えながら、いつも居場所を探していた人です。思いやりがあって動物や弱い立場の人を守りたいという気持ちを持っている一方、偽善が大嫌いで強く主張するなど独特な面があるのも面白いですね。彼の繊細さと冒険者なところが私自身との共通点です。

 

山ほどある伝記や彼の手紙を読み、去年の9月から約1年間役作りを続けてきました。彼はどうやって話している?彼の考え方は?あの人に対して何を考えている?とたくさん考えましたし、彼の姿勢と視線をまねして猫背で人を見上げる感じで演じています。口ひげも自分のひげを伸ばして作りました。撮影前にはNHK大阪放送局の廊下を彼のように歩いたり、喫煙室でキセルを吸ったりして、ハーンさんのように動けば動くほど役の基盤に自信が持て、より自由に演じられるようになるからです。撮影中に変わっていくこともありますが、撮影前に真剣に準備するメリットは大きいですね。役作りというのはとても大切だと思っています。役作りすればするほど、ハーンさんとヘブンのことがすごく好きになりました。

 

ハーンさんは左目を失明しているので、今回は、白濁したコンタクトレンズをしています。視界が悪くなるからレンズはしなくてもいいと言われましたが、作品にとって重要なのはレンズをした時に私が見やすいかどうかではありません。レンズをしたヘブンに共演者のみんながどう反応するかなんです。あのレンズを入れるからこそより役作りができたと思っています。

 

 

――トキ役の髙石あかりさん、錦織役の吉沢亮さんとご共演された印象を教えてください

 

あかりさんとは会った瞬間に仲良くなりました。とても話しやすい方で、現場での指示を僕がよく理解できていないとき、あかりさんがゆっくり話して教えてくれて助けてくれています。それに彼女はすごく元気!僕は夜になったらエネルギーが減っていくのだけれど、彼女はいくら撮影してもエネルギーに満ちているんです(笑)。あかりさんのおかげで現場のみんなが頑張れています。

 

亮さんもすばらしい方です!スターでありながらとても気さくで話しやすい方なので、一緒に仕事ができて本当にうれしいです。彼は英語を、私は日本語を勉強しているのでお互いに助け合ったり、日本とイギリスの文化の違いについて面白い話をたくさんしたりしました。ふたりともゲーム好きという共通点があり、ゲームを通してより仲良くなりました。本当に気が合うんです。

 

 

――視聴者へのメッセージと見どころをお願いします

 

この物語のすばらしさは、どんな国にいてもどんな人でも、諦めずに探し続けたら愛を見つけられるというところです。また国際カップルが非常にまれだった時代にトキとヘブンが想い合っていたという事実と、ふたりの愛に対する偏見や多くの困難を乗り越えなければならなかったという事実も重要です。怪談を語り合い、一緒に人生を築くことで当時の環境を超越したその力強い愛が、ドラマをご覧になる皆さんに届くように心から願っています。

 

 

ヘブンとトキは怪談という生きがいを共有し、怪談への愛と怪談を世界にシェアしたいという共通の思いを持って愛を開花させたのだと思います。私も生きがいを共有できるバンドの仲間がいて、彼らのことがとても大切なので、そう思いました。ヘブンは怪談を通してトキとつながったとき、ようやく故郷を見つけたような気がしたはずです。

 

■関連番組
「まだ間に合う!ばけばけ」
放送:10月26日(日)午後5時35分~6時〈総合・全国放送〉
ドラマは主人公・トキ(髙石あかり)とヘブン(トミー・バストウ)が出会う新章へ。これまでのまとめと、脚本家・ふじきみつ彦や作曲家・牛尾憲輔が語る「ばけばけ」世界の裏側を紹介。

 

■2025年度後期連続テレビ小説『ばけばけ』(全25週/125回)
[総合](月~土)午前8時~8時15分ほか(土曜日は1週間の振り返り)
[BS][BSプレミアム4K](月~金)午前7時30分~7時45分
【作】ふじきみつ彦
【音楽】牛尾憲輔
【主題歌】ハンバートハンバート「笑ったり転んだり」
【制作統括】橋爪國臣
【プロデューサー】田島彰洋鈴木航田中陽児川野秀昭
【演出】村橋直樹泉並敬眞松岡一史小林直毅小島東洋