文化放送 民放連盟賞 ラジオ部門でグランプリ 「やなせたかし名作前夜」
一般社団法人日本民間放送連盟(民放連、東京都千代田区、会長=早河洋・テレビ朝日会長)は11月7日、エスパシオナゴヤキャッスル(愛知県名古屋市)で第73回民間放送全国大会を開催した。大会式典では、早河会長のあいさつ、来賓祝辞、大会宣言採択のほか、日本民間放送連盟賞の各部門の表彰、およびグランプリ、準グランプリの発表と表彰が行われた。
日本民間放送連盟賞は、質の高い番組がより多く制作・放送されることを促すとともに、CM制作や技術開発の質的向上と、放送による社会貢献活動等のより一層の発展を図ることを目的に、民放連が1953年に創設した賞。ラジオ、テレビ別に選考が行われ、国民の期待に応えるとともに放送文化の向上に寄与した作品が民放連賞グランプリとして称揚される。
今年のラジオ部門では、文化放送が今年3月31日に放送した「文化放送開局記念 昭和100年スペシャル『ドンとモーグリとライオンと~やなせたかし名作前夜』」がグランプリ受賞の栄誉に輝いた。

■番組概要
「アンパンマン」シリーズの作者やなせたかし氏(漫画家・絵本作家・詩人)は文化放送との縁が深く、1960年代は数多くのラジオドラマ作品を書き下ろし、晩年には同局の番組審議会委員長も務めた。昨年、文化放送が保管資料を整理していた中、やなせ氏が書き下ろしたラジオドラマ台本などが数点発見され、その作品の中には、やなせ氏の後の代表作に繋がるモチーフが数多く散りばめられていた。番組では、生前のやなせ氏を知る関係者のインタビューを交えながら、それらの貴重な資料を紹介。番組ナビゲーターは、かねてより「アンパンマンみたいになりたい」と語っていたお笑い芸人のやす子が務め、名作が生まれる「前夜」の息遣いを60分の特別番組として放送した。

同番組の企画・ディレクターを担当した文化放送・豊澤佑衣氏は表彰式において「先日、番組を聴いてくださった方に“制作者の励みになる番組だ”と仰っていただきました。初めはその言葉の意味がよく分かっていませんでしたが、次第に実感するようになってきました。私たちは毎日慌ただしく番組を作り、放送しています。そんな番組たちが“いつか名作の前夜になるかもしれない”と思うと、日々の制作にさらに意欲を持って臨めるのではないかと感じています。各局におかれましては、整理されたもの・手付かずのもの含め、たくさんのアーカイブがあるのではないかと思います。この番組が、そういったアーカイブを見直すきっかけになっていたら、とても嬉しいです。改めて、この番組制作に関わってくださった皆様に感謝申し上げます。ありがとうございました」と受賞の喜びを語った。
「文化放送開局記念 昭和100年スペシャル『ドンとモーグリとライオンと~やなせたかし名作前夜』」
放送日時:2025年3月31日(月)午前11時00分~12時00分
ナビゲーター:やす子(お笑い芸人)
朗読:小野大輔
インタビュー出演:久里千春(俳優)、加藤タキ(コーディネーター)、平松利津子(編集者)、仙波美由記(やなせたかし記念アンパンマンミュージアム振興財団)
企画・ディレクター:豊澤佑衣
プロデューサー:奈良重宗
アドバイザー:鈴木敏夫
構成:山田睦美
編集:池渕浩史
整音:上原裕司
この記事を書いた記者
- テレビ・ラジオ番組の紹介、会見記事、オーディオ製品、アマチュア無線などを担当
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