教育コンテンツの世界的コンクール『第52回日本賞映画祭』17日~20日 東京・原宿で開催
NHKが主催する教育コンテンツの世界的コンクール「日本賞」。同賞の関連イベント「第52回日本賞映画祭」が17日から20日までの4日間、東京・原宿の「WITH HARAJUKU HALL」で開催され、「日本賞」受賞作品の上映会と制作者らによるディスカッションが開かれる。最終日の20日には、最優秀賞作品の中から「グランプリ日本賞」が発表される。また、12月27日には今回の日本賞の特別番組がEテレで放送される。
「日本賞」は、世界中の教育コンテンツの質の向上に貢献することなどを目的として、1965年に創設され、今年で52回目を迎える。今回は世界58の国・地域から373の応募が寄せられた。「教育コンテンツ」とあるが、同賞が大切にしている価値は「映像メディアを通して新しい価値を提案する作品か」と「人々が学び、考え、共感し、行動する意欲へとつながる作品か」の2点だ。
日本賞の対象となるコンテンツは、対象年齢で分かれた4つのカテゴリー(幼児向け部門、児童向け部門、青少年向け部門、一般向け部門)があり、放送番組だけでなく、映画・ビデオ作品、ウェブ・ゲーム・アプリなどのデジタルコンテンツも対象となる。
今回発表された各カテゴリーの最優秀作品は以下のとおり。

幼児向け部門(0~6歳)「レナとまきばのなかまたち にぎやかな巣」(ドイツ、クロアチア)
避難してきた森の動物を助けようと奮闘するリスの姿をユーモラスに描くアニメーション。

児童向け部門(6~12歳)「長距離バス」(フランス、ベルギー)
異国に住む母のもとへ向かう旅。少女の視点から見る風景が印象的なアニメーション。

青少年向け部門(12~18歳)「夢と運命の境界で エジプト 少女たちの岐路」(フランス、エジプト)
エジプトの少女だけの演劇グループ。メンバーたちが人生の選択に向き合う姿を追う。

一般向け部門(18歳以上)「路上の名もなき子供たち」(オランダ、バングラデシュ)
バングラデシュのストリートチルドレンに寄り添うグループと子どもたちのドキュメント。
この4作品の中から、グランプリ日本賞が決まる。また、NHKが制作し、Eテレで放送された「はなしちゃお!~性と生の学問」が青少年向け部門で優秀賞に選ばれている。
17日~20日に開催される「第52回日本賞映画祭」では、幼児向け部門、児童向け部門、青少年向け部門、一般向け部門の最優秀賞と優秀賞として選ばれた8作品と、特別賞、審査委員選奨を加えた10作品が上演される。映画祭では、作品の上映だけでなく、上映後のディスカッションと制作者トークもセットになっているのが本賞の大きな特徴となっている。
このほど、東京・渋谷のNHK放送センターで「第52回日本賞」メディア説明会が開かれ、日本賞のPR大使を務めるタレントのハリー杉山と浅野里香アナウンサーが出席した。2人は東京・原宿の「WITH HARAJUKU HALL」で20日に開催される「日本賞授賞式」の司会を務める予定だ。
日本賞に携わり今回で6回目、PR大使は3年目のハリーは「“教育コンテンツ”というと、堅苦しいイメージがあるかもしれないのですが、アニメーションあり、ドキュメンタリーあり、笑えて、ちょっと人生の支えにもなるようなエンタメ要素が詰まった作品がたくさんあります。日本賞のPR大使は、人生を豊かにしてくれたり、人生のヒントを与えてくれたりする作品と触れ合える幸せな仕事です。ここで触れた作品をきっかけに、海外に住む少年時代の友人と久しぶりに連絡を取ってみることもあって、僕にとっては宝のような存在です」と同賞に携わる喜びを語った。また、「日本賞映像祭」で行われる上映後のディスカッションについて「海外の皆さんからも評価されている素晴すばらしいプロセスです。日本人同士だけではなく、会場に集まっている世界各国の制作者の皆さんと意見を交換できる、人生観が変わるような空間だと思います。できるだけ多くの方々に、この現場で空気を吸っていただいて、そして自分の思ったことを直接、制作者の皆さんにぶつけてみてほしいです」と説明した。浅野アナは「ディスカッションをはじめ、制作者トークにも通訳サポートがありますので、もし、言葉の壁を気にして参加をためらっているなら、それはまったく心配いりません。通訳の方にお話をつないでいただければと思います」と参加を呼び掛けた。
グランプリ作品が決まる20日の授賞式に向けてハリーは「毎回、心が動くんです。ですので、できるだけ多くの方々に映像祭に来ていただいて『日本賞って面白くない?』っていう会話が、会場の原宿とかでごく普通に行われてほしいです」とアピールした。今回初めて日本賞に関わる浅野アナは「今、1歳7か月の子供を育てているところなので、児童向けの作品を拝見しながら、どんなふうに子供にアプローチしたらいいのかなとか、子供の行動の裏にはどういう思いがあるのかを、考えるきっかけになりました。子育てや教育は、どの年代になっても関わることに喜びを感じられる分野なので、日本賞に携われることをとても光栄に思っています」と話していた。
この記事を書いた記者
- テレビ・ラジオ番組の紹介、会見記事、オーディオ製品、アマチュア無線などを担当



