Prime Video 湊かなえの衝撃作『人間標本』をドラマ化 西島秀俊と市川染五郎が親子役
ベストセラー作家・湊かなえの小説を原作とする連続ドラマ『人間標本』(全5話)が、12月19日よりPrime Videoで一挙配信される。
湊がデビュー15周年を記念して書き下ろし「一番面白い作品が書けた」と自負する同名小説を実写化した本作。“イヤミスの女王”と呼ばれる湊が10年来温めてきた「親の子殺し」というセンセーショナルなテーマに正面から挑んだ禁断のミステリーサスペンスだ。
物語は、蝶の研究者である榊史朗教授が、息子・榊至を含む6人の少年たちを「人間標本」にしたと衝撃の告白をするところから始まる。蝶に魅せられ「美を永遠に留める」執念に取り憑かれた史朗は、なぜ最愛の息子までも標本に変えてしまったのか――。その狂気の犯行の真相は、複数の視点によって新たな真実へと姿を変えていく。

主人公の榊史朗教授を西島秀俊が務めるほか、史朗の息子・至役は、本作が現代劇ドラマ初出演となる歌舞伎俳優の市川染五郎が起用された。監督は廣木隆一が務め、湊とは映画『母性』(2022)以来2度目のタッグとなる。
配信に先駆けて公開されているインタビュー映像の中で西島は「これは大変な仕事を受けたな、というのが最初の印象でした」と語り、作中で描かれる“親の子殺し”という禁断の物語に葛藤しながらも挑戦を決意した心境を明かしている。市川も「とてもヘビーな内容なので集中力を保って自分を維持できるかなという不安がありました」と語っている。また、廣木監督も「すごいプレッシャーでした」と作品への覚悟を赤裸々に明かしている。
西島は、本作が現代劇ドラマ初出演の染五郎について、「背筋に一本筋が通っているところが美しさに繋がっている」と絶賛。染五郎も西島が「自然と“父親”としての距離感を作ってくださってありがたかった」と明かし、初共演ながら全幅の信頼を置いている様子が示された。二人は台湾での海外ロケを通じ、まるで“本物の親子”さながらの空気感を漂わせ交流を深めていったという。

原作者の湊は、映像内で「(本作のテーマを)子どもがきちんと受けとめられるようになってから書かないといけないと思っていました」と、10年以上本作を温め続けていた理由を明かした。また、撮影地となった山奥を訪ねた湊は制作現場を見て、思わず感動の声を漏らしたという。
物語には、世界的アーティスト・一之瀬留美(宮沢りえ)とその娘・杏奈(伊東蒼)、史朗の父・一朗(村上淳)や母・こずえ(河井青葉)など、多彩なキャラクターが登場し、それぞれが胸に秘めた想いを抱えながら複雑に絡み合う。
耽美と狂気の世界観が融合し、禁断の物語が交錯する極上のミステリーサスペンス、Amazon MGMスタジオ製作の新ドラマシリーズ『人間標本』は、12月19日(金)よりプライム会員向けに世界配信が開始される。
この記事を書いた記者
- テレビ・ラジオ番組の紹介、会見記事、オーディオ製品、アマチュア無線などを担当



