NHKドラマ10 『テミスの不確かな法廷』松山ケンイチ、鳴海唯、遠藤憲一が会見

主演·松山ケンイチが裁判官役を熱演

 

NHKで2026年1月6日に放送がスタートするドラマ10『テミスの不確かな法廷』(全8話)の取材会が東京・渋谷の放送センターで開かれ、主演の松山ケンイチ、共演者の鳴海唯、遠藤憲一が登壇した。

 

新聞記者・作家の直島翔氏の同名小説が原作。幼い頃、衝動性や落ち着きのなさからASD(自閉スペクトラム症)とADHD(注意欠如多動症)と診断された裁判官・安堂清春(松山ケンイチ)は、自身の特性を周囲に隠しながら前橋地裁第一支部に裁判官として赴任した。“普通”を装って生きてきた安堂だが、ふとした言動が地裁の面々を戸惑わせ、法廷内外で混乱を巻き起こしてしまう。そんな安堂の元に、複雑な人間模様が絡み合う難解な事件が舞い込んできて――。

 

会見で松山は役作りのためにASDなどの特性を持つ人々が参加するグループケアの現場を見学したと明かし「“ここが苦手”“その苦手をどう克服していくか”というテーマをもとに皆で議論して、その中で具体的な対策が出てくるのですが、それを話している時の皆さんの表情が本当に生き生きとしていたんです」と振り返った。そして「自分のことを分かってくれる同志がいて、安心できる場所があることで救われたり、次の日に前向きに歩いていけたりする。その存在を知ることができたことは今回の役を考える上でとても大きかったです。コミュニティの大切さや人とのつながりの重要性を改めて感じました」と語った。

 

弁護士・尾野崎ノア役を演じる鳴海唯は「弁護士役は初めてです。緊張もありますけれど、尊敬する先輩方に囲まれておんぶに抱っこで甘えさせていただいています」と微笑んだ。

 

安堂の上司で、検事・門倉滋役の遠藤憲一は「42年役者をやってきましたが、法廷ドラマは覚えなければいけないことが多くて、これまでさけてきました。まだ撮影が続いていますが、自分の中ではいっぱいいっぱい。ギブアップ寸前です。42年の俳優人生で一番難しい作品になりました」と明かしていた。

 

会見に同席した制作統括の神林伸太郎チーフ・プロデューサーは「発達障がいを描いたドラマはこれまでもありましたが、多くの作品は周囲がそれを理解している設定で、その上でどう社会に向き合うかというストーリーでした。しかし本作は、カミングアウトしないまま社会と向き合っていくというものです。発達障がいの特性をもつ人に限らず、周囲に言えない悩みや息苦しさを抱えているすべての人たちへ、ひとつのメッセージになるのではないかと映像化を決めました。本作を見て前向きな気持ちになったり、悩みを持っている人に対して想像力を働かせるきっかけになれば、と思っています」と作品に込めた思いを吐露していた。

 

ドラマ10『テミスの不確かな法廷』は2026年1月6日スタート。総合で火曜午後10時~10時45分。