NHK連続テレビ小説「ばけばけ」雨清水タエ役の北川景子さんがコメント
「タエと三之丞の間にあった大きな溝が埋められて本当に良かったです」
12日から第15週「マツノケ、ヤリカタ。」が放送されるNHK連続テレビ小説「ばけばけ」。第14週(1月5~9日)では、ついにトキ(髙石あかり)とヘブン(トミー・バストウ)の結婚が決まり、2人を祝うために松野家と雨清水家の一堂が揃う放送回では、雨清水タエ(北川景子)と息子・三之丞(板垣李光人)がそれぞれ、これまで心に秘めていた思いを吐露する感動的な姿が描かれ、視聴者から大きな反響があった。
そんな雨清水タエを演じている北川景子さんのオフィシャルコメントが届いた。
――結婚の挨拶パーティー(70回)でヘブンに会ったタエの気持ちを教えてください
「トキはうそをついている」とヘブンさんがわめき散らした時は、突然やってきた外国の人に、なぜそんなことを言われなくてはならないのかと、少し釈然としない気持ちになりました。みんながそろっている場でトキを激昂させなくてもいいのではないか、と少し可哀想に思いましたし、こんな風に泣かせる男性が本当にトキを幸せにできるのか半信半疑でした。けれども、松野家のご両親は結婚を認めていて、トキ自身も彼と幸せになりたがっているわけですから、祝福するのが筋。とにもかくにも応援するしかない、と思っていたんです。
そして最終的には、バンっと不満を爆発させてみんながひとつになるきっかけを作ったヘブンという得体の知れない異人のことを、面白い男だと思えたのではないでしょうか。いろんなことが一度に起きた目まぐるしいシーンでした。
――結婚の挨拶パーティーでの三之丞への思いを教えてください
「人に使われるのではなく、人を使う人間になりなさい」とは、以前に三之丞にかけた言葉だと思いますが、タエ自身はそういう古い凝り固まった考え方をとっくに捨てています。“雨清水タエ”は一度死んだつもりで物乞いまでして息子を生かしてきたのに、自分の一言がここまで彼の中に残り続け、追い詰めていたのかと責任を感じました。

タエとしては今も昔も一貫して息子を大事にしているつもりなんです。没落前は三男だから家を継ぐプレッシャーを背負わずに自由に生きてくれればいいと思っていましたし、没落後は自分が父親代わりも務めて、大事な息子を何とか生かしてきました。三之丞のうそを承知の上で指摘しなかったのも、彼のプライドを傷つけたら立ち上がることができない人間になってしまうと思っていたから。今はまだうそを暴かず、息子に成長する時間と猶予を与えたいと考えていたと思います。それなのにパーティーで三之丞が「(自分は)恥さらしのひどい息子だ」と言った時は、こんな言葉を言わせてしまったと非常に胸が締め付けられる思いでした。みんなの前で言わせてしまいましたが、それまでタエと三之丞の間にあった大きな溝が埋められて本当に良かったです。
――フミさんとの関係の変化はどのような思いで演じられましたか?
タエは基本的なスタンスとして、自分も母親だと主張するのは司之介さんとフミさんに非常に失礼なことで、トキは松野家に出したと娘だと割り切らなくてはいけないと考えてきました。ただ、トキは育ての親と産みの親の間でずっとしんどい思いをしてきたのでしょうね。今まで育ての親としての立場をはっきりさせたがっていたフミさんが、トキのためにもどちらも親ということでいいんじゃないかと言ってくれたおかげで、タエも一つ解放されたと思います。

これまではトキと一緒に料理をしていても笑みがこぼれてはいけないと自分を律してきたけれども、娘がかわいくて、うれしいとか一緒にいて楽しいといった素直な感情まで押し込める必要はなくなりました。フミさんに“ありがとう”と伝えられ、タエとフミの雪解けが見られるシーンになったと思います
――トキに「ママさん」と呼ばれたタエはどんな思いだったのでしょうか?
タエにとって「ママ」は初めて聞きく言葉。横文字なので、娘が外国の人と結婚するという事実を突きつけられたような非常に複雑な気持ちになりました。けれど、トキがうそをついたり、家族の事情を抱え込んでいたことに気づいて、真っ向から受け止めてくれたのは異人であるヘブンさんです。それがあの場で分かったので、横文字で「ママさん」と呼ばれるのも悪くないと思えたのではないでしょうか。タエは武家の人間ですが、短い時間で自分の中で折り合いをつけ、こんな家族があってもいいと納得できる柔軟さも持っているのだと思います。おフミさんがいるのに「母上」と呼ばれるのも少し違う気がしますから、「ママさん」がちょうどいいのかもしれませんね。

言葉は「ママさん」でも、トキにとってはきっと「母上」と言えたのと同じ。長年言いたかった言葉をお母さん(フミ)の顔色を気にせず堂々と言えた、すごくすっきりしたシーンだったと思います。タエとしてはここに夫の傳(堤真一)さんがいたらどんなによかったかと思いました。いつかトキと本当の親子として振る舞える日を夢見ていた傳。ここにいたら「パパさん」と言われていたのではないでしょうか。
■2025年度後期連続テレビ小説『ばけばけ』(全25週/125回)
[総合](月~土)午前8時~8時15分ほか(土曜日は1週間の振り返り)
[BS][BSプレミアム4K](月~金)午前7時30分~7時45分
【作】ふじきみつ彦
【音楽】牛尾憲輔
【主題歌】ハンバートハンバート「笑ったり転んだり」
【制作統括】橋爪國臣
【プロデューサー】田島彰洋 鈴木航 田中陽児 川野秀昭
【演出】村橋直樹 泉並敬眞 松岡一史 小林直毅 小島東洋
この記事を書いた記者
- テレビ・ラジオ番組の紹介、会見記事、オーディオ製品、アマチュア無線などを担当



