NHK スペシャル時代劇「眠狂四郎」 3/24放送 制作陣が語る、なぜ今「狂四郎」なのか?

海外に打って出られるような時代劇を

 

NHK総合で3月24日に放送されるスペシャル時代劇「眠狂四郎」は、昭和を代表する時代小説家のひとり、柴田錬三郎氏の同名シリーズ作が原作。江戸時代後期、幕閣の権力争いや切支丹(キリシタン)弾圧が渦巻く混沌とした社会を舞台に、名刀・無想正宗を携え、必殺「円月殺法」を操る孤高の浪人・眠狂四郎の戦いを描く。これまで数多の名優たちが眠狂四郎を演じてきた人気作だが、今回の令和版「眠狂四郎」では、NHKと東映・東映京都撮影所がタッグを組み、現代的な映像表現と重厚な人間ドラマとして、新たなダークヒーロー像を造形した。長谷川博己が眠狂四郎を演じる本作について、制作統括や演出ら制作陣が企画意図や見どころをコメントした。

 

 

制作統括・髙橋練(NHKエンタープライズ)

「SHOGUN 将軍」をはじめ、時代劇が昨今さまざまな形で世界でヒットし、注目されています。そんな中、NHKも海外に打って出られるようなハイクオリティな時代劇を作れないか、という思いがあり、それが今回の出発点となりました。

 

誰もが知っていて最近映像化されていない作品は何か、ということを東映さんと話していく中、「眠狂四郎」はどうか? と盛り上がりました。そして今、誰が眠狂四郎を演じるかとなった時、真っ先に浮かんだのが長谷川博己さんでした。

 

長谷川さんにとっては大河ドラマ「麒麟がくる」以来のNHK時代劇ご出演となります。狂四郎がすっくと立つメインビジュアルをはじめ、どういう作品にするべきかをスタッフと一緒に作り上げていただきました。

 

今回の「眠狂四郎」は活劇であり、恋愛ドラマでもあり、悲劇的な要素もあります。また、何より「正義」を声高に語る人が多い今だからこそ、そういうことを全て否定するようなダークヒーローの物語を魅力的に描けたのではないかと思っています。ドラマを超えたドラマとして、素晴らしい出来になったと自負しています。

 

制作統括・土田真通(東映)

NHKさんから「世界に出せる時代劇を作ろう」というお話しをいただき、東映と東映京都撮影所が総力を尽くしてこの作品に挑みました。

 

準備するにあたり、眠狂四郎を演じた田村正和さんがかつて使用していた着物や刀が撮影所に大事に保管されていまして、それに触れる機会がありました。その質感やこだわりから、名作を受け継ぐ責任の重さを実感しました。

 

その重圧をモチベーションとして、スタッフ一同、非常に強いやる気を持ってこの作品に臨みました。特に長谷川さんは、主役として誰よりも真摯に眠狂四郎と向き合って、新しい狂四郎を作ってくださいました。

 

アクションシーンも従来とは異なる表現を目指し、長谷川さんのこだわりを形にしたことで、新しい時代劇アクションになりました。世界に出しても恥ずかしくない重厚なエンターテインメン作品になったと思っています。

 

演出・一色隆司(NHKエンタープライズ)

長谷川さんとは「麒麟がくる」以来のタッグです。眠狂四郎役は長谷川さんだろうと思い電話をしたら、二つ返事で受けてくださったのが衝撃的でした。

 

現場では濃密な芝居と殺陣を両立させながら、数多の名優が演じてきた眠狂四郎を長谷川さんが令和にどう演じるのか、様々に試行錯誤しながら一緒に作っていきました。

 

今回は、このダークヒーローが誕生するエピソードにフォーカスすることによって、現代の人々伝えられることがあるんじゃないかと思いつき、長谷川さんや脚本家の酒井雅秋さんと意見を交わしながら、10稿以上、脚本の書き直しをしました。

 

そういうことを含めて本当に自信を持ってお届けできる作品になりました。今までの「円月殺法」と比べて、今回ほど切なくて哀愁に満ちた「円月殺法」はあったでしょうか。そういう部分もメッセージとして皆さんにお届けしたいです。

 

 

番組概要

スペシャル時代劇「眠狂四郎」(89分)
放送:3月24日(火) 総合 午後10:00~11:29
原作:柴田錬三郎
脚本:酒井雅秋
音楽:池頼広
出演:長谷川博己
黒島結菜、高橋光臣、森永悠希、今野浩喜
菜々緒、佐藤江梨子、原沙知絵、本田博太郎
神保悟志、西村まさ彦、宅麻伸、坂東彌十郎 ほか
制作統括:谷口卓敬、髙橋練、土田真通
プロデューサー:土井健生
演出:一色隆司
制作:東映京都撮影所、NHKエンタープライズ
制作・著作:NHK