「ハムフェア2025」 有明GYM‐EXで8/23、24開催 JARL・森田耕司会長に聞く“今年のみどころ”

キャッチフレーズは「GYM‐EXではばたこう アマチュア無線の世界」

 

国内最大級のアマチュア無線イベント「第47回アマチュア無線フェスティバル ハムフェア2025」が8月23、24日の2日間、有明GYM‐EX(東京都江東区)で開催される。キャッチフレーズは「GYM‐EXで はばたこうアマチュア無線の世界」。主催は一般社団法人アマチュア無線連盟(JARL)。後援は総務省、文部科学省、東京都、NHKなど。来年、創立100周年を迎えるJARLにとって、今年のハムフェアは記念すべき節目へとつながる重要な催しとなる。ハムフェア開催にあたり、主催者であるJARL森田会長(JA5SUD)に今年の見どころや100周年に向けた思いを聞いた。
 

JARL・森田耕司会長(2024年撮影)

 

2026年JARL創立100周年、そして、
2027年日本におけるアマチュア無線100周年

 

――2026年はJARL創立100周年、2027年は日本におけるアマチュア無線100周年という、アマチュア無線をアピールする好機がやってきます。JARLは26年6月から27年9月に様々なイベントを実施することを発表しておられます。記念メッセージや記念事業についてお聞かせください

 

森田 2026年6月に日本アマチュア無線連盟(JARL)は創立100周年を迎え、そして2027年9月には日本におけるアマチュア無線が100周年を迎えるという、私たちにとって非常に意義深い節目の時期を迎えます。この1年4か月間を「祝賀期間」と位置づけ、JARLだけでなく、無線機器メーカー、関係団体、そして全国すべてのアマチュア無線家とともに、未来へ向けた新たな一歩を踏み出すべく、様ーな記念事業を展開してまいります。
 

まず、記念ロゴと記念メッセージを制定し、これにより国内のみならず世界に向けて、100周年の意義を発信してまいります。私たちがこれまで惹かれてきたアマチュア無線の魅力、そしてこれからこの世界に迎えたい新たな仲間たちと共有したい思いを込め「〝あたりまえ〟、なんて退屈だから。」という記念メッセージを掲げました。アマチュア無線の魅力とスピリットを次世代へ伝えてまいります。
 

日本におけるアマチュア無線100周年のロゴ
 
また、100周年記念サイトを開設して、記念ロゴ&メッセージをはじめ、記念事業の情報発信拠点として、国内外の皆様に向けて英語版も含めた情報提供を行っております。併せて、100周年記念ポスターも制作し、記念ロゴ&メッセージのPRを積極的に進めてまいります。
 

100周年危険メッセージ(100周年記念ポスター)

 
今後の記念事業としては、記念局の運用・記念QSOパーティを開催して内外の無線家の皆様と交信を通じて祝賀の輪を広げるとともに、記念アワードを発行してアマチュア無線家の皆様に100周年のメモリアルとしていただきたいと考えております。さらに、JARLの歩みやアマチュア無線の意義を広く知っていただくための記念誌の発行し、そして、記念式典を開催して国内外の関係者をお招きし、100周年を祝うとともに、アマチュア無線の歴史と未来を語り合う場を設けます。
 
これらの事業は単なる回顧ではなく、アマチュア無線という文化の価値を再発見し、次の100年へとつなげるための挑戦でもあります。私たちはこの機会を通じて、より多くの方ーにアマチュア無線の魅力を知っていただき、新たな仲間を迎え入れることを願っております。過去を振り返るだけでなく、アマチュア無線という文化の未来を切り拓いてまいります。

 

会場は昨年に引き続き「有明GYM‐EX」

 

――今回のハムフェアは「GYM‐EXではばたこう アマチュア無線の世界」がキャッチフレーズとです。このキャッチフレーズに込めた思いをお聞かせください。また、昨年に続き会場となる「有明GYM‐EX」の利点、変更点などがございましたらお聞かせください

 

森田 47回目となる今年のハムフェアでは、「GYM‐EXではばたこう アマチュア無線の世界」というキャッチフレーズを掲げております。この言葉には、アマチュア無線の魅力をより多くの方ーに知っていただき、未来へ向けて、これまでアマチュア無線を愛してきた方ーと、新たな仲間がこのイベントを契機にともに〝はばたく〟という願いが込められています。アマチュア無線は、世代や時代を超えて人と人をつなぐコミュニケーションの力を持っています。その可能性を、体験・交流・発信を通じて広げていく場として、ハムフェアを位置づけています。
 

「ハムフェア2025」の会場となる有明GYM-EX
 
ハムフェア2025を、昨年に引き続き「有明GYM‐EX」で開催できる運びとなりましたことを、たいへん嬉しく思っております。この会場は、最新の設備を備え、広さとしてもハムフェアの会場として最適であり、交通アクセスも良いことから、展示・運営の両面においても非常に適した環境であると感じております。昨年の開催では、参加者から「移動がしやすい」「会場内が明るく見やすい」といった好意的なご意見を多数いただきました。
 
昨年の経験を踏まえた上で今年は、事前購入チケットの二次元コードによる入場方式を導入し、動線や各コーナーの配置、案内表示のさらなる改善、さらにキッチンカーの拡充等、展示の充実はもちろん、来場者の皆様がより快適にお楽しみいただけるよう準備を進めております。体験型展示の拡充や、若年層や初心者向けのプログラムにも昨年に増して力を入れてまいります。
 
ハムフェアは、アマチュア無線に関心のあるすべての方ーに開かれた「祭典」です。ベテランの方はもちろん、これから始めてみようと思っている方、少しでも興味をお持ちの方にとって、発見と出会いのある場になることを願っています。「GYM‐EXで はばたこうアマチュア無線の世界」──この言葉のとおり、ここから皆さんの新しいアマチュア無線の物語が始まることを、私たちは心から楽しみにしております。ぜひご来場ください。

 

盛りだくさんのJARLコーナー

 

――JARLの特設ブースで予定されていらっしゃる特別なイベントがございましたら、お教えください。また、コーナーの見どころがございましたらお教えください

 

森田  今年のJARLコーナーでは、アマチュア無線の魅力を広く発信できるよう、さまざまな特別企画をご用意しております。
 
2023年の制度改正により、有資格者の立ち会いのもと、だれでも体験運用を行えるようになりましたが、当連盟も「体験運用推進・ニューカマー支援委員会」を新設して、この体験運用制度を広めていく活動を進めています。
 
今回のハムフェアでは、昨年に引き続きJARLコーナーに「体験運用コーナー」を設けて、同委員会のメンバーが中心となって、実際にアマチュア無線の交信体験をおこなっていただきます。昨年の「体験運用コーナー」では、お子さんを中心に大勢の希望者が集まり、初めてのアマチュア無線の交信体験を通じて、その楽しさに触れていただきました。交信を終えた後の体験者の皆さんの笑顔がとても印象的でした。
 

体験運用コーナーでアマチュア無線の交信を体験
 
また、「ビギナー案内コーナー」を設け、体験運用チームと組んで、ビギナーの相談窓口や会場内見学案内、学生クラブとの交流情報提供やハムフェア会場内の各種コーナーの情報提供など、ビギナー向けの案内をおこないます。
 
さらに、「南極昭和基地8J1RLコーナー」は、南極OB会アマチュア無線クラブのご協力により、雪原で発見された貴重な南極隕石やさまざまなパネルなどを展示するとともに、観測隊員OBの方などから現地の様子や毎年実施している「こどもの日特別運用」のエピソードなど直接話が聞ける、とても貴重なコーナーになりますので、ぜひ足を運んでください。

 

好評の「サテライトステージ」を実施

 

――昨年のハムフェア会場では、新しい試みとして「メインステージ」のほかに「サテライトステージ」が設けられ、様ーなプレゼンが行われて大変活況でした。今年もこのステージは継続して行われますか

 

森田 昨年のハムフェアにおいて新設された「サテライトステージ」は、個人や団体による多彩なプレゼンテーションが展開され、大変ご好評をいただきました。登壇者と聴衆の距離が近く、講演後の交流も活発に行われるなど、アマチュア無線の魅力を共有する場として新たな可能性を感じることができました。
 
その成果を受け、今年も、アマチュア無線にまつわるトークや実演、プレゼンテーションなどを気軽に楽しめるサテライトステージを実施いたします。2日間で計20組登壇する予定で、テーマは多岐に渡っており、アマチュア無線の多様性と創造性を体感できる場として、今年も楽しんでいただけるかと思います。
 
一方の「メインステージ」では、講演として「JARL100周年に向けて」、「八木・宇田アンテナの発明とUHF帯長距離無線への挑戦」「大阪万博8K3EXPOから」「HFで運用ができるデジタル音声通信モード・Free DVの魅力と実践」などの講演を予定しておりますので、メインステージのスケジュールをご確認の上、こちらもぜひご参加ください。

 

大阪・関西万博で特別記念局運用中!

 

――JARLは、現在開催中の「大阪・関西万博」で運営参加サプライヤーとして協賛し、特別記念局「8K3EXPO」を運用されていらっしゃいます。記念局を設けられた理由と運用状況をお聞かせください

 

森田 当連盟は、2025年4月より開催されている「大阪・関西万博」において、「運営参加サプライヤー」として協賛し、会場内にアマチュア無線特別記念局「8K3EXPO」を開設・運用しております。この特別記念局は、世界中に広がるアマチュア無線のコミュニティを通して、大阪・関西万博の情報を国内のみならず世界中に向けてその様子を発信することにより、広報活動の一翼を担い、万博のより一層の盛り上がりと国際交流の促進に貢献することを目的としています。併せて、アマチュア無線の魅力と社会的価値を広く発信し、万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に呼応し、人と人をつなぐ技術としてのアマチュア無線を国内外に紹介することも担っています。
 
万博開幕以来、特別記念局は毎日運用されており、毎日多数の国内外の運用希望者が運用ブースを訪れています。この運用ブースでは、免許を持つ方による運用はもちろん、無資格者による体験運用も可能で、大変好評を博しています。
 
ハムフェア2025の会場においても、2日目のメインステージにおいて、当連盟関西地方本部の田中本部長が大阪・関西万博 8K3EXPOの報告講演を行いますので、ぜひこちらもご注目ください。