「ハムフェア2025」アマチュア無線 主力メーカーがブース出展 来場者に最新機種をアピール

 

8月23、24日に有明GYM-EX(東京・有明)で開催される、アマチュア無線最大の祭典「ハムフェア2025」。見どころの一つは、国内アマチュア無線主力メーカーが最新モデルを展示する企業ブースゾーンだ。ここでは、各社ブースの特徴と出展製品を紹介する。

 

■JVCケンウッド

「カートランシーバーで+αなアマチュアライフ」
現在開発中のカートランシーバーを参考出品

 

JVCケンウッドは「カートランシーバーで+αなアマチュアライフ」をテーマに出展する。

 

ブースでは、現在開発中の144/430MHzデジタルデュアルバンダーのカートランシーバー「TM‐D750S」「TM‐D750」を参考出展する。同モデルは、従来機で好評を得た、位置情報の共有などが可能なデータ通信プロトコルAPRS(Automatic Packet Reporting System)に加え、ハンディートランシーバー「TH‐D75」で好評のアマチュア無線デジタル通信方式DーSTARを搭載した機種として販売される予定。同モデルについては、ブース内に設置したイベントコーナーにJVCケンウッドのバーチャル社員でVTuberの「波澄りお」が「TH‐D75」の特長を映像で解説する。

 

イベントコーナーでは、アマチュア無線家でシンガーのMasacoさんのトークイベントを開催。Masacoさんに開発中のアマチュア無線カートランシーバー「TM‐D750」を実装車両で体験してもらった感想を中心に、JVCケンウッドの歴代レガシー無線機についてトークしてもらう。

 

また、日本アマチュア無線機器工業会(JAIA)の活動の一環として、JAIA会員会社のアイコム、アツデン、アルインコ、JVCケンウッドの4社が共同開発中の卓上型マイクロホンを参考出品する。そのほか、ハンディトランシーバー「TH‐D75」、HF帯の最高機種「TS‐990」、ハイエンドモデル「TS‐890」、入門者からベテランまで幅広いユーザーから、高い受信性能などで好評を得ている「TS‐590G」などを展示する。

 

「TS-990」

 

さらに、レジャーからビジネスまで、幅広い用途に対応する無線機のラインアップとして、2025年6月に発売した特定小電力トランシーバー「DEMITOSS」の新商品「UBZ‐LU」シリーズおよび「UBZ‐BM51」シリーズ、デジタル簡易無線機「TPZ‐D563BTE」(登録局増波モデル)などを展示する。

 

■八重洲無線

人気機種「FTXー1シリーズ」実動展示
1・8MHz帯~430MHz帯をカバー

 

創業72周年を迎えた八重洲無線のブースでは、昨年のハムフェアで発表され、世界的に大ヒットしている「FTX‐1シリーズ」の実動展示を行う。

 

「FTX‐1シリーズ」は最新のSDR技術を応用した設計により、コンパクトな筐体で1・8MHz帯~430MHz帯の広帯域をカバー。C4FMデジタルを含むオールモードに対応し、フィールド運用・モービル運用・固定局運用のいずれにも柔軟に対応する非常に使い勝手の良いモデル。

「FTX-1 Field」

 

HF/50MHz帯トランシーバーの展示では、ハイブリッドSDRを採用し多信号特性に優れ、3DSSリアルタイムスペアナを搭載したフラッグシップモデル「FTDX101シリーズ」や「FTDX10シリーズ」を中心に、人気モデル「FT‐710AESS/Field」も出展。特に、八重洲無線の高度なRF設計技術から生み出された「FTDX101」シリーズは、独立系テストラボ「シャーウッド」による受信性能評価で長年にわたり世界最高クラスの評価を維持している。こちらも実動展示で性能の高さを体感できる。

 

VHF/UHF帯の無線機では、新製品ラインナップとして「FTM‐510Dシリーズ」「FTM‐310Dシリーズ」「FTM‐150シリーズ」の3シリーズを展示する。すべてのモデルに弱電界下において強力にノイズを低減し、信号の了解度を高めるASP機能(Audio Signal Processing)を搭載。これにより実質的な通話可能距離を大きく伸ばすことが可能。

 

■アイコム

11種の無線機とアンテナ・周辺機器を展示
リモートコントローラーの操作体験も

 

アイコムは計11種の無線機のほか、アンテナなどの周辺機器を展示する。また目玉の一つとして「遠隔運用コーナー」も設ける。

 

遠隔地からアマチュア無線機の本体を操作できるリモートコントローラー「RC‐7760」(2025年4月発売)を使い、奈良県の同社研究所に設置しているアマチュア無線機「IC‐7760」(2024年8月発売)のRFデッキ(本体)を操作できるようにセッティングする。このリモートコントローラーは、大阪・万博会場内の特別記念局の運用でも使用されている。

 

「RC-7760」

 

「次世代ソリューションコーナー」では、米スペースXの衛星通信網「スターリンク」を活用した無線通信技術を紹介する。衛星通信網は、通信インフラが未整備な山間部や離島でも無線機をインターネットに接続できるのが特長で、次世代の通信技術として注目されている。また、同コーナーにはスペースX製のアンテナを設置する。

 

アルインコ

200台限定 ハイエンド特小トランシーバー
「DR-PM300SEFL」を展示

 

アルインコは今年8月に200台限定で発売する免許資格不要のハイエンド特小トランシーバー「DR‐PM300SEFL」を展示。同機は、既存の業務用無線機「DR‐PM300SE」の機能をシンプルにしたモデルで、交互通話・交互中継通話のみに特化する。スタンドマイクの代わりにダイナミックマイクを付属させてコストダウンを図り、ホビーユーザーに最適な仕様を実現した無線機となっている。無線部を屋外に設置し、固定局としての運用や、車載でロケーションの良いところに移動しての運用など多彩な楽しみ方ができるという。送受信周波数は421/422/440MHz。送信出力は10mW/1mW切替。質量は約2600㌘(モービルブラケット/DCケーブル除く)。機能の主な特徴としては、騒音下でマイクに乗るバックノイズを驚くほど軽減する最新のノイズキャンセル回路や、内蔵スピーカーで2Wと余裕の大音量の音声出力、直感的に操作できる日本語の液晶と音声ガイドおよび表示色は10色から選択可能などがある。

 

「DR-PM300SEFL」

 

アマチュア無線機では、液晶を大きくカラフルにしたデザインが特徴的な144/430MHz2バンドのモービル機「DR‐735」、モノバンドFMモービルでは業界唯一の29MHz帯「DR‐03SX」、ハンディ機は定番の144/430MHzシンプル2バンド「DJ‐S57LA」、モノバンド5Wの「DJ‐S17L」(144MHz)、「DJ‐S47L」(430MHz)と2Wの「DJ‐S12」(144MHz)、「DJ‐S42」(430MHz)シリーズを出展。さらに、レシーバーでは、ハイエンド、プロ仕様のデジタル対応「DJ‐X100」、受信ビギナーから航空・鉄道ファンなど幅広い層に人気の「DJ‐X82/DJ‐X82A」を展示する。

 

ユニデンホールディングス

40年ぶり「ハムフェア」にブース出展

 

1966年の創業以来、ワイヤレス通信ツールの開発、製造、販売を手掛けるユニデンホールディングス(東京都中央区、名手研悟代表取締役社長兼CEO)は、約40年ぶりに「ハムフェア」へ出展する。同社は現在、HF帯~UHF帯をカバーする広帯域受信機をはじめ、CB無線機、レジャー用のUHF帯無線機、船舶用無線通信機などの製品(いずれも海外向け)を展開している。国内向けのアマチュア無線機としてはかつて、HF帯無線機やハンディ機を販売していた。今回は、グローバル企業としての特長を訴求するため、海外で人気のモデルや、貴重なレトロ無線機を展示する予定。また、ブースで実施するアンケートに参加した来場者には、数量限定のオリジナルグッズをプレゼントする。