JARD 横浜・本牧で「アマチュア無線入門講座」を開催

「初心者向け交信教室」を定期的に開催

 

一般財団法人 日本アマチュア無線振興協会(JARD、東京都豊島区、三木哲也会長)は、アマチュア無線愛好家を増やす取り組みの一つとして、アマチュア無線技士の資格を取得し無線機は購入したが、ルールやマナーが分からず、電波を出すことを躊躇している人や、もっとハムの交信に慣れたい人などを対象に、初心者向け交信教室を定期的に開催している。

 

5月11日は、アマチュア無線の魅力や無線機の選び方、開局申請の方法等をレクチャーする「初心者向けセミナー」と、実際の交信を体験する「交信体験教室」をセットにした「アマチュア無線入門講座」を、神奈川横浜市中区のマリンハイツ1号館集会所で開催した。

 

2025年度情報通信月間行事として企画

 

本講座は、2025年度情報通信月間行事として企画されたもので、会場には男女合わせて40代から70代まで8名の参加者が集まった。ほとんどの人が4アマ、3アマのアマチュア無線技士の資格を持っており、無線機を持っているが、まだ交信には自信がないという人が多かった。

 

午前中の「初心者向けセミナー」には6名が参加

 

セミナーは、午前(10:00~12:00)の「初心者向けセミナー」と午後(13:00~17:00)の「交信体験教室」の2部制で行われた。午前の「初心者向けセミナー」では、主催者挨拶の後、JARDがアマチュア無線入門者向けに制作したビデオ「ようこそアマチュア無線の世界へ」を上映、アマチュア無線の歴史から様々な楽しみ方、無線機の種類、開局手続きの方法、電波の正しい使い方などを紹介した。その後、ビデオの内容を受けて講師がアマチュア無線で利用できる周波数帯の特徴やモードを説明した。

 

続いて、今回の開催協力者であるハムショップ・本牧無線(神奈川県横浜市中区)の代表・相楽康雄氏が登壇し、無線機を販売する側のプロとして「まずは手軽なハンディ機で始め、慣れたらポータブル機や固定機にステップアップしてみては」とアドバイスを送った。また、アンテナについては、八木アンテナやホイップアンテナなど、様々なタイプのアンテナがあること、さらに身近な部材を使えば安価で自作もでき、それもアマチュア無線の楽しみの一つであることを紹介した。そのほか、電鍵を使ったCW(モールス信号)体験や、開局に向けての電波利用電子申請の最新情報についての説明も行われた。

 

電鍵を使ってCW体験

 

午後の初心者交信教室では、コールサインの構成や講師役による模擬交信、ログおよびQSLカードの書き方などのレクチャーを受けた後、講師役との模擬交信を経て、参加者一人ひとりが実際にマイクを握り各自数回の交信体験をした。

 

セミナーで使われたトランシーバー(八重洲無線FT-991)

 

参加者の中で、地元横浜在住の50代の男性は「20代の頃に4アマを取って無線機も買いましたが、電波を出さずにそのままで終わってしまいました。もう一度アマチュア無線を始めたいと思い、昨年3アマを取りました。ブランクがあり、交信に不安があるので今回参加しました。特に電子申請の新しいやり方が分かってよかったです。これからずっとアマチュア無線を続けたいです」と話していた。

 

主催者であるJARD養成部の太田公一氏は、初心者交信教室について「いつもは巣鴨の本部で開催しており、毎回約7~12名ほどの方に参加していただいています。今回は情報通信月間の行事として横浜で実施しました。関東圏以外でも開催することがありますが、大阪や近畿圏ではより多くの方に参加していただいています」と話し、開催の目的については「アマチュア無線技士従事者免許を取っても、そのままの方が多いようなので、我々JARDとしては、いかにその方たちにアマチュア無線家として電波を出してもらえるかを考え、このような取り組みを積極的に行っています。ぜひ、より多くの方に参加していただき、アマチュア無線の世界を楽しんでいただければ嬉しいです」と話していた。

 

6月以降も各地で開催予定

 

JARDでは5月17日に東京・巣鴨の本部JARDハム教室で「アマチュア無線初心者交信セミナー」を開催するほか、6月に大阪と岡山で、また7月に新潟で初心者セミナーを開催する予定(詳細は追ってJARDホームページで発表)。