JARL主催 「アイボールミーティング」都内で開催 多くのアマチュア無線関係者で賑わう

一般社団法人日本アマチュア無線連盟(JARL、東京都豊島区、森田耕司会長)は12月9日、東京・麹町のホテルルポール麹町で年末恒例の懇親会「JARL アイボールミーティング」を開催した。会場には数多くのアマチュア無線関連の関係者が集い盛況だった。

 


JARL森田耕司会長

 

会の冒頭、主催者代表として登壇した森田会長は「JARLは来年、創立100周年という大きな節目を迎えます。創立以来、我々はアマチュア無線の健全な発展と普及を目指し、数多くの先人たちのご尽力と会員の皆様の熱意に支えられ、今日まで歩みを進めてまいりました」と謝意を示し、「長い歴史の中でアマチュア無線は技術の進化とともに発展し、災害時の地上通信や国際交流など、社会的にも重要な役割を果たしてきました」とこれまでの歩みを語った。そして、近年のアマチュア無線を取り巻く環境が大きく変化しているとし、「デジタル通信の普及、インターネットとの融合、さらには若年層の無線離れといった課題がございます。しかしながら、こうした時代の変化に柔軟に対応しつつ、アマチュア無線の本質的な魅力を次世代へ伝えていくことがJARLの使命であると考えております。新しい挑戦や変化を恐れずに進むことが、これからの100年を切り開く鍵であると信じております。100周年という節目を迎えるにあたり、私たちは新たな時代にふさわしいアマチュア無線の姿を皆様と共に描いてまいりたいと考えております」と改めて決意を語った。

 


JAIA鈴木昭会長

 

乾杯の発声を行った日本アマチュア無線機器工業会(JAIA)の鈴木昭会長は「来年はJARL創立100周年を迎え、再来年はアマチュア無線の制度が始まって100周年です。我々もこの周年記念に協力をしながら活気あるものにしていきたいと思っております。JAIAはアマチュア無線に関する事業を手掛けておりますが、今、非常に厳しい状況でございます。しかし、JAIAの使命として、引き続きお客様に魅力ある商品の提供を進めてまいりたいと思いますので、改めてよろしくお願いしたいと思います」と挨拶した。

 


JARD種村一郎会長

 

会の半ばで挨拶にたった一般財団法人日本アマチュア無線振興協会(JARD)の種村一郎会長は「来年はJARL創立100周年ということで大変喜ばしいことです。これを一つの節目とし、この先の将来にわたってもJARLとマチュア無線がさらに発展・創造していくことを祈念しております。私どもJARDも微力ではございますが、全面的に協力をしてまいる所存でございますので、よろしくお願い申し上げます。私どもJARDの使命といたしましては、引き続きアマチュア無線技士の有能な人材を増やすことに集中してまいる所存でございます。皆様方にもぜひとも、ご協力を賜りたいと思っております」と祝辞を述べた。

 


NHK徳田章氏

 

会場には来賓として、NHK「ラジオ深夜便」でアンカーを務めている徳田章氏が出席した。徳田氏は最近、第3級アマチュア無線技士の資格を取得し、40年ぶりにハムとして活動を再開させたと明かし、「実はNHKの中にもアマチュア無線クラブがありまして、先日訪ねてみました。そこでFT8という新しい技術を見せてもらい、面白そうだなと思い、挑戦してみようと考えております」と話した。そして「アマチュア無線の世界では若い人の参加が少ないということですので、私もPRの一環としてラジオ深夜便でも触れられればと思っております。皆様のご支援よろしくお願いいたします」と語ると会場からは大きな拍手が送られた。

 

そのほか、参議院議員の江島潔氏、衆議院議員の田所嘉徳氏、総務省総合通信基盤局電波部移動通信課の五十嵐大和課長が来賓として出席した。

 

「アイボール」とは、アマチュア無線の世界で「相手と直接会い、話をして親交を深めること」を示す単語。その言葉通り、会場は世代や年代、肩書きを越えてアマチュア無線を愛する人々による熱気ある談議の姿が見られた。

 

なおJARL関係者によると来年の創立100周年に向けては、「現在準備を進めているところで、年明け早々にはいろいろ発表できると思う。JARL創立100周年とともに再来年のアマチュア無線制度開始100年もあわせて盛り上げていきたい」とコメントした。