ソニーPCL、「“INTO THE WORLD” YOASOBI – Concept Prototype」~従来のライブ体験とは違う新しい価値を提供
ソニーPCLは、3月11日から15日までソニー本社(東京都港区)で、新たな空間音楽体験体験プロジェクト「“INTO THE WORLD” YOASOBI – Concept Prototype」を開催した。ソニーPCLは、それに先立ち10日にメディア向け体験会を開いた。
プロジェクトの企画・制作はソニーPCL、Echoes/Sony Music Entertainment(Japan)社。プロジェクト支援はソニーグループ。協力はソニー・インタラクティブエンタテインメント。技術協力はPixomondo社、ソニー、SoVeC。
「INTO THE WORLD」は、音楽を「聴く」だけではなく、アーティストが作り出す音楽の世界へ全身で「入り込む」、新たな空間音楽体験のフォーマットを生み出すことを目的としたプロジェクト。今回は、「INTO THE WORLD」の第一弾として、音楽ユニット「YOASOBI」と共同制作したコンセプト・プロトタイプである。
同プロジェクトでは、ソニーPCLがコンセプト開発からコンテンツ企画、制作・演出における複数の先端技術を掛け合わせたテクニカルディレクションまでを担当した。
「NOVEL INTO MUSIC」を掲げるYOASOBIと、「世界観への没入」「音楽の空間体験化」を目指す“INTO THE WORLD”双方のコンセプトが共鳴したことで、同プログラムのプロジェクトが始動した。プログラムには、YOASOBIメンバーの体や動きをスキャンして制作されたデジタルアバターが登場し、デビュー曲「夜に駆ける」を含む全3曲に、それぞれの物語性を掛け合わせた、音楽の世界に入り込むような体験を提供した。
会場では、眼の前に大画面LEDディスプレイが置かれてダイナミックな映像空間を演出した。左右にもLEDディスプレイが設置されてライブハウスの雰囲気を醸し出していた。触覚を刺激するハプティクス(力、振動、動きなどの物理的な刺激を通じて、人間に触覚や力覚を伝える技術のこと)、立体音響や来場者自身のスマートフォンとの連動による臨場感あふれるサウンド表現などを通じて、より“多層的な没入体験” を表現した。
具体的には、ソニーのハプティクス技術である「Haptic Floor」は、床面に振動デバイスを設置。演出に合わせて、振動を加えることにより、体験に没入できる効果をもたらす。ソニーとSoVeCが開発した「音声同期を用いたスマートフォン連動技術」は、複数のスマートフォンと大画面や外部スピーカーなど演出装置を高精度に同期・連動することができる。これらのテクノロジーを「INTO THE WORLD」に活かして今までにない体験を提供していた。
上月貴博“INTO THE WORLD”プロジェクトクリエイティブディレクター(ソニーPCL クリエイティブ部門 UXクリエイション部UX企画デザイン課 統括課長)らが報道陣の質問に答えた。上月氏は「「YOASOBIのファンの人たちがいつも楽しんでいるライブ体験とは違った、新しい価値をどのように提供できるか、我々は今回作る上でいちばん意識しました。『音声同期を用いたスマートフォン連動技術』では、来場者はご自身のスマホを使って、高精度に同期・連動することで自分だけの演出を楽しむことができます。あえてご自身のスマートフォンを使っていただくことも、大きなチャレンジでした」と述べた。着信やメッセージが来る演出があったが、来場者全員へ同時に送るのではなく、座る位置によって、あえてバラバラに送ることにより、それそれの体験を変えたという。
「INTO THE WORLD」プロジェクトで企画・制作統括を担当した大矢弓氏(ソニーPCLクリエイティブ部門 UXディレクター)は「『小説を音楽にするユニット』としてのYOASOBIの特性を活かし、音楽ライブの代替ではないプログラムを目指したプロジェクトです」と話した。
この記事を書いた記者
- 放送技術を中心に、ICTなども担当。以前は半導体系記者。なんちゃってキャンプが趣味で、競馬はたしなみ程度。



