デジタル改革に向けた最新動向や事例紹介 FORUM8地方創生・国土強靭化セミナー神奈川、牧島元防衛相もビデオ出演

 フォーラムエイト(本社・東京都港区、伊藤裕二社長)は2月25日、神奈川県横浜市のヨコハマグランドインターコンチネンタルホテルで「第8回FORUM8地方創生・国土強靭化セミナー神奈川を開催した。衆院議員で元デジタル大臣の牧島かれん氏がビデオメッセージを寄せたほか、特別講演としてデジタル庁審議官の奥田直彦氏が「神奈川におけるDX、地方創生、国土強靭化に関する取り組みと今後の展望」と題して行政の取組を紹介した。
 フォーラムエイトでは、国土強靱化と地域振興への取り組みとの連携、各自治体におけるインフラ分野での取り組みへのデジタルを通じた貢献を目的に、2019年から全国中核都市で定期的にセミナーを開催。今年は「サスティナブルな社会、新しい地方経済生活環境創生へ」をテーマに、全国22カ所で有識者による講演と併せて、設計・解析、3DVRなど、新しい地方経済・生活環境創生を後押しする最新技術・ソリューションの提案や、道路橋示方書・同解説(令和7年10月)への対応等について紹介している。
 セミナー冒頭では伊藤社長が登壇し、同社の日本初のパソコン用土木設計システムのリリースからこれまでの技術革新の歩みについて紹介した。
 同社は日本初となる土木設計システムのリリース以来、39年にわたりVR技術やシミュレーションソフトの分野で業界を牽引してきた。現在はAI、ドローン、Web3などの最先端技術を取り入れ、自動運転から宇宙ソリューションまで幅広いインテグレーション開発を実施。また、産学連携を通じた人材育成や研究にも注力しており、大阪万博での宇宙体験展示ブースの出展やメタバースと現実を融合させた多彩なプロジェクトの推進状況等を紹介した。

 会場講演を予定していた牧島氏は、解散総選挙の影響で急遽ビデオメッセージで出演した。牧島氏は大臣時代に注力してきた施策としてアナログ規制の見直しを挙げた一方で、地方自治体での見直し状況はまだ十分ではないとし、「国の法律が書き換えられたからといって、それぞれの地方自治体にある条例が自動的に書き換えられたことにはならない。 神奈川県や県内33ある市町村の条例も、依然としてアナログのままになっていないか、是非ご確認いただきたい。それぞれの自治体で議論し、見直していくことでどの地域であってもDXを実感でき、人手不足にも対応しながら付加価値を高く創造できる日本社会を共に築き上げていくべき」とした。またデジタルツインの取組やDFFT(信頼性のある自由なデータ流通)」の加速にも言及し、「神奈川県で技術の社会実装のために努力されている皆様の力は、日本の課題解決のみならず、世界の課題解決にも通じていくものと確信している。セミナーを通じてさらなる発展を」と呼び掛けた。
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 デジタル庁審議官の奥田氏は、政府のデジタル施策の現在地と今後の展望について語った。単なるIT化に留まらない「制度・業務・システムの一体改革」を中核とし、特にAI活用においては、政府共通基盤となる「ガバメントAI」の構築を推進。デジタル庁内では既に職員の約8割にあたる950人が生成AIを利用し、延べ6・5万回以上の活用実績を通じて業務の高速化と内製開発力の強化を図っているとし、ドローンや衛星データの活用を促進する環境を整備しているとした。

 マイナンバーカードについては、保有枚数が1億枚を超え、保有率は79%に達したと説明。「持つ」から「使う」フェーズへと移行し、2025年10月には救急隊が傷病者の医療情報を閲覧して適切な処置に繋げる「マイナ救急」が全国展開していることを紹介した。
 今後は行政のデジタル改革から社会全体のデジタル改革に向けて「AIフレンドリーな国家」を推進し、デジタルファーストを発展させてAI・データを最大限に活用する行政組織や世界をリードする官民一体の組織づくりを目指す「デジタル庁2・0」を推進していく方針を示し、併せて「ICTの全面的な活用」等の施策を建設現場に導入することで建設生産システム全体の生産性向上を図り、魅力ある建設現場を目指す「i―Construction(アイ・コンストラクション)」や、建設技能者の資格や現場での就業履歴等を業界横断的に登録・蓄積し、技能・経験に応じた適切な処遇につなげようとする「建設キャリアアップシステム(CCUS)」等建設DXの取組も紹介。「あらゆる立場を超えて連携し、行政の変革という挑戦を止めることなく、成果を積み上げていく」と述べた。
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 講演後には、同社開発担当者らが最新製品やソリューションを活用事例と共に紹介した。主なプレゼン内容は次の通り。
 ▽プレゼンテーション1「フォーラムエイト新製品紹介~新基準対応・AI・FEMで支える国土強靱化ソリューション~」:8年ぶりに発刊された「道路橋示方書・同解説」(令和7年改訂版)の改定ポイントと「R7/H29道示対応」版の製品紹介、また2025年度版の下水道施設耐震対策指針に対応した製品について説明。さらに、「浸水氾濫解析システム」や「コンクリート打設管理システム」などの新製品、F8-AI UCサポートやAIチャットによる設計サポート機能、F8-AI Cloud CADの紹介と併せて、FEMソフト活用事例や解析支援サービスなど国土強靭化を支援するソリューションを提案した。
 ▽プレゼンテーション2「VRCGデジタルツイン/F8VPS・F8NFTSケーススタディ」:3DVRソフトUC―win/Road、統合型3DCGソフトShade3Dによる3D都市モデルを活用したデジタルツインや、メタバニアF8VPSによるメタバース、まじもんF8NFTSによるNFTのプラットフォームの技術を解説。防災・まちづくり、地域活性化、環境、モビリティなど様々な分野でるケーススタディを紹介した。
 ▽プレゼンテーション3「国土強靱化を支える設計データセキュリティ~インフラを止めないためのWeb/AI時代の新しい防御~」:フォーラムエイトでは製品のWeb化を推進。すべてのデータをサーバー側へ集約し、端末に「持たせない」という究極の保全戦略を具現化し、物理的なPC紛失からデバイスの廃棄に至るまで、確実なデータ消去プログラムがライフサイクルの終焉までを完遂。「残さない」からこそ、どこまでも自由になれる、実務に即した、攻めのセキュリティを紹介した。