さくら映機、ファイルベースインサートアプリケーション「ALBA e Medico」発売

さくら映機株式会社は、XDCAM MPEG HD422 50Mbps へのインサートを可能にしたアプリケーション「ALBA e Medico(アルバ エ メディコ)」を2024 年10 月21 日(月)より発売し、受注開始いたしますと発表した。ALBA e Medico は、Long GOP ストリームの部分差し替えに関する技術的課題を解決し、VTR 編集に近い感覚のXDCAM ファイルへのインサート編集を実現しました。これにより、現在のVTR 機材中心の制作ワークフローからファイルベースワークフローへの移行に貢献いたしますと話した。

<ALBA e Medico のテクノロジー>
1.高精度なレート制御方式
XDCAM MPEG HD422 フォーマットはMPEG-2 Video (Long GOP)形式で圧縮されており、以下のような特徴を持ちます。
① MPEG のフレームサイズが変動する
② 同じ尺でもMPEGストリームのトータルサイズが異なる
③ MPEG ストリームをMXF に多重化したあとの最終ファイルサイズも異なる

そのため、差し替え範囲に収まるようなMPEG-2 ストリームを生成することは困難でした。さくら映機では、長年培ってきた映像フォーマットと動画符号化技術の専門知識を活かし、それを可能にする高精度なレート制御方式を開発しました。この独自技術により、XDCAM MPEG HD422 ファイルへのインサートを実現しています。

2.画質劣化の軽減
ALBA e Medico は、再圧縮されたストリームの画質を自動的にチェックし、境界付近で画質の劣化が観測された場合、圧縮範囲を自動で拡張します。 この機能により、差替範囲終端付近にシーンチェンジや複雑な映像があっても、画質の変化を目立たせないようにしています。

3.スマートレンダリング
ALBA e Medico は、差し替えソースがXDCAM MPEG HD422 の場合、可能な限り差し替えソースのMPEG ストリームを再圧縮せずに使用します。Open GOP/Closed GOPに対応し、再圧縮される範囲が最小限に抑えられるため、高速なファイルI/O 環境では短時間で差し替え処理が完了します。

<使いやすいユーザーインターフェイスと便利機能>
オペレーターの確保が難しい現場や事故を未然に防ぐための、シンプルなユーザーインターフェースと機能を提供します。
・複数の差し替え区間を一括で処理する 「マルチポイントインサート」
・ソースファイルのTC を読み取り、自動的にタイムラインに配置する「TC 同ポジセット」
・修正前後のシミュレーション映像を並べて表示・再生する「比較表示」
・差し替え終了後、修正部分を頭から自動的に再生していく「Spot 再生」
・インターレース映像のフィールド確認に使用する「再生停止時のフィールド表示」
・トラック単位の無音挿入機能
・素早く操作するためのショートカットキー

<インサートワークフローを支援する機能>
ALBA e Medico は、インサートを確実に実行するための各種支援機能を搭載しています。
・XDCAM MPEG HD422 の規格に準じた「XDCAM 50Mbps フォーマットチェック」
・音声トラック数不足やBit Depth の間違いを修復し別ファイルに書き出す「フォーマットノーマライズ」
・差し替え用のソースファイルとしてApple ProRes 422 (※) 形式に対応
・XDCAM 規格に準拠していないMXF やApple ProRes 422 素材をXDCAM 規格のMXF に変換する
「トランスコード」
・インサート履歴のログ出力

この記事を書いた記者

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中井弘和
営業部所属
主に企画、広告営業を担当。
お付き合いで始めたゴルフが、今では一番の趣味。
最近ではギアにもこだわりをもっています。