富士通、特化型AIエージェントでグローバルサプライチェーンを最適化するソリューションが、ビジネスを変革する先進事例として選定

 富士通は、開発した特化型AIエージェントでお客様のグローバルサプライチェーンを最適化する「Fujitsu Uvance」のソリューション(以下、本ソリューション)がこのたび、世界経済フォーラムのAI Governance Allianceによる、世界各国のAI業界における独立性を保った業界横断的なリーダーがビジネスを変革する先進的なAIソリューションを選定するグローバルコミュニティMINDSにおいて、グローバルで18件のうち1件として選ばれたことを発表した。
本選定プロセスは、数百件の申請を匿名化し、選定の透明性を確保した上で実施されており、実際の現場に導入して具体的な成果を挙げた事例より選定されるものです。当社のAIエージェントによる業務や意思決定の変革が、グローバルに高く評価されました。

「Fujitsu Uvance」のオールインワンオペレーションプラットフォーム「Fujitsu Data Intelligence PaaS」をベースに開発した本ソリューションは、サプライチェーンにおける在庫管理・発注業務を変革し、経営の高度な意思決定を支援するもの。企業内外に分散するデータを、知識を抽象化して体系化するナレッジグラフを用いて自動的に統合し、高精度な機械学習モデルを短時間で生成可能な当社のAIサービス「Fujitsu Kozuchi AutoML(オートエムエル)」を用いることで、数十件の需要予測モデルを数分で作成することができる。

また、調達、在庫、生産、販売等のタスクに特化した複数のAIエージェントで構成されており、リアルタイムに通知される在庫不足や過剰在庫などといったアラートをもとに、各AIエージェントが調達先の変更や在庫の割り当てなどの対応策を立案します。そして、立案された対応策の中から、オーケストレーターエージェントがコストやリードタイム、リスクのバランスを考慮して対応策を選定し、エバリュエーターエージェントがその妥当性を評価することで、ユーザーはAIによる立案をもとに、最適な対応策を迅速に講じることができるという。

年間売上高約100億米ドル(日本円で約1兆円)クラスの大手企業を想定したデータに基づきシミュレーションした結果、本ソリューションにより年間の在庫コストを約1,500万米ドル(日本円で約15億円)削減し、在庫を約2,000万米ドル(日本円で約20億円)分削減できるほか、約50%以上の工数削減が見込まれることが分かりました。また、自然災害等が生じた際の営業利益等への影響評価のシミュレーションも実施し、災害が発生してから3時間以内に対応することができました。

当社はこれまで、在庫管理に課題を抱える製造業のお客様向けに本ソリューションを提供し、サプライチェーンの効率化やレジリエンス強化を支援してきましたが、これからも、地政学的リスクや自然災害、市場変動などの予期せぬ事象によるリスクに迅速に対応できるよう、お客様の最適な意思決定を支援していきます、と話した。