アドバンスト・メディア コンタクトセンター向けAI音声認識ソリューションに新パッケージ登場

AI音声認識ベンダーのアドバンスト・メディア(東京都豊島区、 鈴木清幸会長兼社長)は、電話応対向けAI音声認識ソリューション「AmiVoice Communication Suite(アミボイス・コミュニケーション・スイート)」に、カスタマー・ハラスメント(カスハラ)対策を支援する新パッケージの提供を7月17日から開始した。

 

近年、コンタクトセンターをはじめとする顧客対応の現場では、不当な要求や暴言、威圧的な言動といった、いわゆるカスハラが深刻な社会課題となっている。厚生労働省が2022年2月に発行した「カスハラ対策企業マニュアル」や、東京都などが2025年4月に施行した「カスタマー・ハラスメント防止条例」など、政府・自治体も積極的にカスハラ対策を推進している。

 

カスハラ対策支援 新パッケージの全体イメージ
 

一方、2024年11月に一般社団法人日本コンタクトセンター協会が発表した調査によると、「カスハラ基準の明確化」「カスハラの対応方針・マニュアルの策定」に「対応済み」と回答した企業は約3割にとどまり、現場での対策が十分に進んでいない実情が明らかになっている。

 

このような状況を受け、アドバンスト・メディアは、AI音声認識エンジン「AmiVoice」と生成AIを活用し、電話応対業務におけるカスハラ対策に特化した「AmiVoice Communication Suite」の新パッケージを開発した。

 

新パッケージは、通話中の不適切な発言の検知、オペレーターの心理的サポート、管理者による判断の支援、さらに通話終了後の事後分析を行うなど、電話応対中から通話終了後の後処理までを包括的にサポートする。これにより、カスハラの「検知・対応・改善・予防のサイクル」を確立する。

 

新パッケージには「AmiVoice Communication Suite」の主要機能に加え、実際のユーザーが活用している有効な設定情報や500社以上の導入実績から得られたノウハウが数多く反映されている。さらに、生成AIを活用した通話内容の事後分析機能など、多様なカスハラ対策ニーズに柔軟に対応できる。

 

《主な特長は以下の通り》

 

■「通話フィルタ」でカスハラを検知し、適切な対応指針を自動でポップアップ表示

通話中の暴言・罵声など、不適切な発言を即座に検知し、オペレーターに対して適切な対応指針をポップアップ表示する。過去の特別対応を理由に同様の対応を求めるなどの不当な要求を防ぐため「顧客対応を統一する」対応や、スピード感を重視する顧客に冗長な応対をしない「顧客タイプに応じたアプローチ」など、シーンごとの具体的な応対ポイントやトークスクリプトを表示可能。オペレーターごとの応対のバラつきを防ぎ、トラブルの未然防止や応対品質の維持向上を実現する。
 

 

■「アラート」でカスハラ通話を管理者に通知。スムーズな支援が可能に

カスハラワードを含む発話や通話時間に基づき、カスハラ傾向の強い通話を検知し、管理者へアラート通知するす。オペレーターの負荷状況を管理者が即座に把握でき、声をあげにくい状況でもカスハラの早期発見と適切なフォローが可能になる。例えば「暴言・罵声などが発話された」「通話時間が、平均より長く1時間以上」といった条件に該当した場合、アラートが検出され管理者に通知する。また、オペレーター自身が「カスハラを受けている」と判断した場合は、手動で管理者にヘルプを要請することも可能。

 

■「通話品質評価テンプレート」でオペレーターのスキル向上・カスハラ対応の効率化を実現

「通話品質評価テンプレート」は、オペレーターの応対スキルを客観的に評価し、教育の必要性を判断する。AmiVoiceを活用し作成したテンプレートで通話内容を点数化し、その点数に基づいてオペレーターのスキルに応じたレベル分けを行う。評価結果に合わせて追加研修やロールプレイングを行い、カスハラを誘引しないオペレーターの応対品質の向上・均一化を図ることが可能。

 

■「各種機能と通話タグとの自動連携」でカスハラ通話を抽出

「通話フィルタ」などで検知したカスハラ通話に対し、「カスハラ可能性」などの通話タグを付与することができる。通話一覧からカスハラ関連のタグを付与した通話を容易に絞り込めるため、オペレーターのスキルに関わらず、カスハラに該当する通話を同一基準で抽出することが可能。蓄積したカスハラ通話をもとにパターン別の応対方法を共有することで、応対内容の改善やオペレーター教育に活用できる。

 

■生成AIを活用した高度な事後分析とカスハラレベルを判定

ローカル環境で利用可能な大規模言語モデル(LLM)「AOI LLM for AmiVoice Communication Suite(AOI LLM)」を活用し、通話ごとにカスハラレベルを6段階で測定。カスハラと判断した理由や根拠となる発話、要約した顧客のニーズを抽出することができるため、カスハラの原因となる課題を抽出し再発防止に向けた改善点の検討が可能になります。また、「配送遅れ」「返金要望」などの通話カテゴリーも併せて出力できるため、多角的な分析を行うことが可能。