
TASCAM ミキサー「Sonicview 24」が「1万人の第九 EXPO2025」の配信で使用
TASCAMはこのほど、「EXPO2025 大阪・関西万博」のウォータープラザと大屋根リングで4月13日に開催されたイベント「1万人の第九 EXPO2025」で、同社のミキサー「TASCAM Sonicview 24」が使用されたと発表した。
ベートーヴェン第9交響曲・第4楽章を1万人で合唱するイベント
毎日放送が毎年12月に開催している「1万人の第九」は、ベートーヴェンの第9交響曲・第4楽章を1万人で合唱する一大イベント。これを「EXPO 2025 大阪・関西万博」の開催に合わせ4月13日、万博会場で開催された。
万博会場と毎日放送本社との間はNTTのIOWNネットワークを使用し、SMPTE ST 2110による映像・音声伝送が実施されることとなり、毎日放送はティアックの「TASCAM Sonicview 24」のSMPTE ST 2110システムを使用することを決めた。
SMPTE ST 2110の運用における課題を解決するため、映像や音声の伝送、冗長化など、数々のテストを重ね、本番に臨んだ。万博会場のマイクなどの音声をOTARIのLIGHTWINDERシステム(LWB-64)に接続し、MADIにてDirectOut Technologies社PRODIGY.MPに入力しSMPTE ST 2110-30信号に変換され、IP伝送にて毎日放送本社まで送信した。「TASCAM Sonicview 24」は毎日放送本社テレビサブに設置され、SMPTE ST 2110-30信号を受信、配信用音声のミックスをそのまま「TASCAM Sonicview 24」で行った。
運用システム図
「1万人の第九 EXPO2025」は指揮者、1万人のコーラス、ソリスト、オーケストラというスケールの大きなイベントとなり、第九の合唱と演奏が万博会場に響き渡り、万博の初日を飾った。
TASCAM Sonicview
「TASCAM Sonicview 24」
Sonicviewは、TASCAMが開発したデジタルミキサー。 高性能マイクプリアンプ、96kHz/54bit floatの内部処理、32bit ADCが高い分解能と高音質を実現。複数のカラーディスプレーによる直観的な操作が可能。Dante入出力、USBオーディオインターフェースを標準装備し、AES/EBUやMADIにもオプションカードで対応する。16フェーダーの「TASCAM Sonicview 16」と、24フェーダーの「TASCAM Sonicview 24」の2モデルをラインナップ。2022年3月の販売開始以来、「TASCAM Sonicview 16」と「TASCAM Sonicview 24」合わせて国内だけで500台以上を既に納入している。
SMPTE ST 2110への取り組み
SMPTE ST 2110カード「IF-ST2110」
近年、放送局のシステムにおいてはIPシステムの導入が進み、SMPTE ST 2110の運用が本格化することを踏まえて、SonicviewのオプションとしてSMPTE ST 2110カード「IF-ST2110」を開発した。SMPTE ST 2110-30/31およびAES67に準拠した64ch入力/64ch出力(48kHz)が可能。SMPTE ST 2022-7(冗長化)やAMWA NMOS IS-04(ネットワーク機器の発見、登録)、AMWA NMOS IS-05(制御)にも対応。SMPTE ST 2110システムのテレビスタジオへの導入が既に始まっている。
この記事を書いた記者
- テレビ・ラジオ番組の紹介、会見記事、オーディオ製品、アマチュア無線などを担当