JVCケンウッド 特小トランシーバーとアマチュア無線機がグッドデザイン賞を受賞

JVCケンウッドは10月16日、KENWOODブランドの無線機、特定小電力トランシーバー“DEMITOSS PRO”「UBZ-BM51」「UBZ-BM51BT」と、アマチュア無線カートランシーバー「TM-D750」が2025年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人日本デザイン振興会)を受賞したと発表した。

 

「UBZ-BM51」「UBZ-BM51BT」

特定小電力トランシーバー「UBZ-BM51」「UBZ-BM51BT」は“DEMITOSS PRO”の最新モデル。防塵・防水性能および耐衝撃・耐落下性能は米国防総省制定MIL規格に準拠する堅牢なボディを備えるとともに、万が一の緊急時に警告音の無線通報などができる「エマージェンシー機能」を搭載、タフな環境下に対応するスペックを実現している。「UBZ-BM51BT」はBluetoothヘッドセットに対応し、ワイヤレスでスマートな会話が可能。2025年6月から発売中。価格はオープンだが、市場推定価格は「UBZ-BM51」が37,000円前後(税込)、「UBZ-BM51BT」が40,000円前後(税込)となっている。

 

 

【デザインについて】ユーザー調査を通じてさまざまな使用環境を分析し、実際に求められるデザインを具現化した。手袋を着用した状態でも自然に握れるコンパクトなボディに加え、画面と操作部を保護する堅牢性に配慮したデザインとしている。また、機器を置いた時に誤作動を防止できる造形とした。操作性を向上させるために大きなボタンを採用。ボリューム調整は直観的に操作できるように突出したノブ形状を施すとともに、使用頻度が高い通話ボタンは視覚に頼らず、直感的に判別できるよう配慮し、緊急時のコミュニケーションを確実に行うことができる。

 

【審査員からのコメント】ビジネス向けトランシーバーには多様な機能要求があるが、特に重要なのは耐久性と操作性であり、あらゆる使用シーンに対応することが求められる。本製品はユーザーの使用状況を綿密に分析し、耐久性や操作性に加え、長時間使用時の快適性や安心感にも配慮して設計されている。特にボタンやノブの操作性は直感的で、使用者がストレスなく扱えるよう工夫されており、ユーザー目線での実用性と完成度の高さが評価できる製品である。

 

「TM-D750」

アマチュア無線カートランシーバー「TM-D750」(2025年発売予定、商品詳細は後日発表予定)は現在、2025年発売に向けて開発中で、「ハムフェア2025」でも披露し好評を得ているアマチュア無線カートランシーバー。位置情報の共有などが可能なデータ通信プロトコル APRS(Automatic Packet Reporting System)に加え、アマチュア無線デジタル通信方式DSTARも搭載した機種として展開を予定している。

 

 

【デザインについて】アマチュア無線のコアな愛好家の声に応えるため、また、当社ハンディタイプの最新機種「TH-D75」に搭載されている先進機能を車載機でも活用し、より多くの方に無線の楽しさを広げたいという思いから開発がスタートした。近年、北米や中国などではアマチュア無線の免許取得者が増加傾向にあり、災害時のバックアップ通信やアウトドアでの利用手段として無線への関心が高まっている。こうした状況を受け、車載用だけでなく自宅でも快適に使える柔軟性を備えた無線機が求められており、そのニーズにも応えることを目指した。また、GUI と連動した直感的なキーレイアウトが、車内でのアマチュア無線操作を直感的かつスムーズにサポートする。

 

【審査員からのコメント】本製品は、車内という特殊な環境における「使いやすさ」とは何かを、深く洞察し具現化した車載無線機である。機能ごとにゾーニングされたUIと物理ボタンは、直感的で即時性の高い操作を可能にし、同時に機器を操る喜びを感じさせる。また、本体と操作パネルの分離構造は、自由な車内設置を許容するだけでなく、車外に持ち出して自宅での運用を可能にするなど、ユーザーの工夫に応える設計が実装されている。既存ユーザーへの配慮も忘れておらず、伝統的な操作性を維持することで新たな機能とわかりやすさを両立させている。こうした利用者に寄り添う姿勢を高く評価した。