アンリツとVTT社、次世代通信を担うDバンドで世界最高水準の高速伝送を実証

アンリツ(社長 濱田 宏一)とVTT技術研究センター(フィンランド・エスポー、以下 VTT社)は、先進的な試験装置とビームステアリング対応トランスミットアレイ・アンテナシステムを組み合わせ、次世代通信を見据えたDバンド(110~170 GHz)無線通信の実用化に向けた実証に成功しました。Dバンドは、超高速通信を実現する重要な周波数帯とされており、今回の成果は次世代バックホール、産業用途、航空宇宙、そして将来の6Gネットワークに向けて、安定した大容量無線接続の実現性を強く裏付けるものです。

アンリツが開発した広帯域の信号生成と解析に対応する試験装置とVTT社が開発した電子的にビーム方向を制御可能なビームステアリング対応トランスミットアレイ・アンテナシステムを組み合わせることで、Dバンドにおける高速無線伝送を実現しました。両社は、最大8 GHzの広帯域変調信号を使用し、現実的なOTA(Over-The-Air)条件下で、接続性能とビームステアリング動作を評価しました。信号生成からOTA性能までを含むシステム全体での特性評価により、1 mの距離で20 Gbpsを含む数十Gbps級の超高速データレートと、最大7 mまでの安定した通信動作が確認され、Dバンド無線接続の実用化に向けた性能指標で新たな基準を確立しました。

今回の実証では、VTT社が開発した高度な位相シフト素子とベクトル変調器MMICを組み込んだ、軽量かつスケーラブルなトランスミットアレイ・アンテナシステムを採用しています。機械的な動作を伴わない電子的なビーム制御により、迅速かつ高精度な方向制御が可能で、方向や距離が変化する条件下でも信号強度を維持します。また、アンリツが開発した試験装置は、優れたスプリアス特性の信号生成や、RFキャリブレーション機能による高い精度と再現性を実現しており、今回の実証の信頼性と将来の展開に向けた拡張性を裏付けるものです。