東陽テクニカ、「量子センサーの眼」となる高感度イメージングカメラの国内販売開始

ダイヤモンド量子センサーが発する微弱光の検出に対応量子コンピューター・人材育成に続き、量子ソリューションビジネスを拡充

東陽テクニカは、2026年2月、英国で高感度イメージングカメラを製造・販売するRaptorと販売代理店契約を締結し、量子センシングの研究・装置開発に利用できる高感度イメージングカメラの販売を開始した。このカメラの販売を通じて、量子センシング分野へも新たに参入することになり、量子ソリューションの製品ラインアップを拡充し、より幅広い先端技術の研究・開発ニーズに応えていく。

Raptorが製造するイメージングカメラは超高感度、かつ低ノイズという特長を備え、微小な光の変化を正確に検出できる。さらに、X線から、紫外線、近赤外線領域まで幅広い光に対応している。製品ラインアップとして、撮像方式の異なる「CCD(電荷結合素子)」「EMCCD(電子増倍型CCD)」「CMOS(相補型金属酸化膜半導体)」「SWIR(短波長赤外)」カメラを展開しており、いずれも小型で用途に応じた細かなカスタマイズが可能である。

左から「EMCCD」 「CMOS」「SWIR」



東陽テクニカは、これらの特長を活かし、この製品を量子センシングビジネスの第一弾として販売を開始する。まずは量子センシング用途向けにOEM展開し、顧客の装置仕様に合わせた設計最適化や実装支援を通じて、装置性能の向上を支える。
今後は、Raptor社製イメージングカメラの高感度性能と広帯域対応力を強みに、防衛産業や半導体産業向けの事業領域の拡大を目指す。

量子センシングは、量子力学の性質を利用して磁場、重力、時間、電場、温度、圧力など、微小な物理量を高精度に計測する技術。その計測精度の高さから、EVバッテリー、生体計測、半導体、防衛など、幅広い分野での活用が進んでおり、量子コンピューターの性能向上にもつながると期待されている。

(例)量子センシング技術の活用イメージ
・電池・パワー半導体の電流分布の把握
・生体・医療での細胞活動の動的観察
・半導体故障解析などの非接触電流イメージング
・海底埋蔵物の資源探査

量子センシングに用いられる代表的な量子センサー「ダイヤモンド量子センサー」は、ダイヤモンド中の窒素(N)と空孔(V)の間の欠陥「ダイヤモンドNVセンター」を活用する。このダイヤモンドNVセンターにマイクロ波、レーザーを照射したときに生じる微弱磁気信号の変化を光として読み取るのに、高感度イメージングカメラが不可欠である。

東陽テクニカは、Raptor社製品の取扱いを通じて、量子センシングの分野に進出するとともに、量子ソリューションビジネスを拡充することで、国内の量子技術の発展をさらに幅広く支援する。今後も世界のパートナーと連携し、量子コンピューターや量子センシングのユースケースの創出、新たなビジネスモデルの開発、人材育成を推進し、量子技術の社会実装を推進するとしている。