600㌔超の長距離間データ同期に成功
日立製作所(日立)とNTTコミュニケーションズ(NTT Com)は、超高速かつ超低消費電力を実現するIOWN構想の主要技術であるオールフォトニクス・ネットワーク(APN)を用いた分散型データセンターの実現に向けた技術検証の一つとして、日立ヴァンタラのHitachi Virtual Storage Platform One Block(VSP One Block)とIOWN APNを用いた共同実証を実施した。実験により、600㌔㍍を超える長距離間のリアルタイムデータ同期に世界で初めて成功し、災害発生時にもシームレスにシステム復旧が可能であることを確認したという。
IOWN構想(Innovative Optical Wireless Network)は、NTTが2030年ごろの実用化に向けて推進する次世代コミュニケーション基盤で、革新的な光と無線の技術により、これまでのインフラの限界を超え、あらゆる情報をもとに全体の最適化を図り、多様性を需要できる豊かな社会をつくるために立ち上げた。
VSP One Blockは、ストレージ仮想化技術を用いて各拠点に設置された複数のストレージをあたかも1つのストレージのように管理・運用できるため、災害発生時の事業継続に強みを発揮するストレージ。また、IOWN APNは、NTTグループがこれまで培ってきた経験と技術力で通信サービスを進化させた低消費電力・大容量高品質・低遅延を特徴とするネットワークという。
激甚災害の増加や、それに伴うレジリエンス強化のニーズを受け、金融やインフラ事業者などミッションクリティカルな事業を支える企業において、ディザスタリカバリ(DR)構成のシステム導入が進んでいる。しかし、システム構築や維持にかかるコスト増加や、災害時における業務継続のためのオペレーション、復旧までの作業時間などさまざまな課題があり、大きな負担になっている。
さらに、生成AIの普及によりデータ処理量が爆発的に増加し、データセンターの需要が拡大する一方で、電力使用量の増大が地球環境への大きな負荷になっている。そこで、全国各地のグリーンエネルギーを有効活用できる分散型データセンターの実現に期待が寄せられている。
今回の技術検証もその一環であり、離れたデータセンター間をリアルタイムに連携させることで、企業がひとつのデータセンターのように利用することが可能となる。長距離間のデータセンターをつなぐことができれば、土地や再生可能エネルギーの確保がしやすい地域にデータセンターを分散配置し、都市部でのデータセンターの一極集中を回避することができるようになる。
(全文は12月16日紙面に掲載)
この記事を書いた記者
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