〝スマホ・セントリック〟な金融体験を提供 「au PAY」など「スマートマネー構想」を発表 KDDI

 KDDIは、2月12日に都内で記者会見を開催し、決済・金融事業の強化を目的に、中間金融持株会社「auフィナンシャルホールディングス株式会社」を設立し、スマホ・セントリックな決済、金融体験を総合的に提供する「スマートマネー構想」を始動、さらに、同社独自のスマホ決済サービス「au PAY」を4月より開始すると発表した。 auフィナンシャルホールディングスは、意思決定を迅速化できる体制構築・ガバナンス強化を目的に、じぶん銀行、ウェブマネー、KDDIフィナンシャルサービス、KDDIアセットマネジメント、KDDI Reinsuranceを同社連結子会社のauフィナンシャルホールディングスの傘下に移管して、同社から分離・独立事業化。傘下となる5社のうち、じぶん銀行が「auじぶん銀行」に、ウェブマネーが「au PAY」となり、同社が4月下旬より普通株式および新株予約権の公開買付けを行い、持分法適用関連会社となる予定のカブドットコム証券は「auカブコム証券」と、auブランドを冠する新社名となる。 また、2019年4月より、KDDIが提供する「au WALLET アプリ」を段階的に刷新することも予定しており、同アプリ内でスマホ決済サービス「au PAY」が利用可能となるほか、家計診断やライフプラン診断などの機能を段階的に拡充。スマホを中心とした、金融体験が可能となるサービスを提供する。 4月よりスタートする「au PAY」は、同社が提供する「au WALLET アプリ」から利用できるバーコードやQRコードを使った、新しいスマホ決済サービス。その加盟店拡大の方策として、「楽天ペイ」やカカクコムが運営するグルメサイト「食べログ」との連携を発表しており、同サイトで「au PAYが使える店」の紹介や同サイト掲載店舗で「au PAY」を利用したユーザーに対してポイント還元の実施や、2月よりカカクコムとKDDIが共同で、KDDIが保有するメタデータとカカクコムが保有する消費行動などをKDDIの環境下で統合的に管理し、AI等の技術を駆使することで高度なビッグデータ分析を行うことで、ユーザーに配慮しながらデータ分析に基づいた最適な提案や、カカクコムが運営する同サイトや「価格.com」に登録している店舗向けに、集客支援サービスなどを行う。 また、「auID」や「au PAY」、「au ポイント」といった同社サービスは、今夏よりキャリアフリーとなる。 記者会見にはKDDI代表取締役社長の髙橋誠氏が登壇。各種新サービスについて説明したほか、「スマートマネー構想」について「金融事業だけで利益を上げるのではなく、通信と連携することによってお客様と出来るだけ長く繋がっていたいということから、今回の構想に至りました。スマホに一直線に進んでいける、スマホ・セントリックな金融サービスを拡充します」と説明。ワンストップな決済手段として、「au WALLETアプリ」内で、4月より「ポイント運用」や「少額ローン」、2019年度内に「おつり投資」や「出金・送金機能の拡充」を進めるなど、「au WALLET アプリ」を中心にしたスマートマネー戦略を語った。さらに、携帯電話回線分野での協業を発表している楽天の「楽天ペイ」と連携することで、19年度早々には「au PAY」が利用できるスポット数を100万箇所以上用意し、さらに拡大させていく展望も披露した。