KDDIなど 都内でレベル4飛行を見据えたドローンの長期運用を実証

 KDDI、KDDIスマートドローン (東京都港区、博野雅文社長)、日本航空、JR東日本、ウェザーニューズ (千葉県千葉市、草開千仁社長)、メディセオ (東京都中央区、今川国明社長) は2月1日から、東京都あきる野市にて、ドローンを活用した医療物資輸送を1ヵ月間運用する実証を実施すると発表した。また、実証に先立ち、1月25日に地域の小学校にて、ドローンの社会受容性向上に向けたイベントを実施した。 この実証は、東京都の「ドローン物流サービスの社会実装促進に係る実証プロジェクト」に基づき、2022年12月5日に施行された改正航空法で「有人地帯における補助者なし目視外飛行 (レベル4飛行)」が可能となったことを機に、都内におけるドローン物流サービスの早期の社会実装を目指すもの。今年度は飛行実証やオペレーションの確認を行い、2023年度以降のレベル4での飛行実証の基礎を確立することを目的としている。 レベル4飛行でのドローン運用を想定し、2023年2月の平日日中帯に、遠隔地からの運航管理による飛行業務を行う。公立阿伎留 (あきる) 医療センター (東京都あきる野市引田78番地1) とエスアールエル セントラルラボラトリー (東京都あきる野市渕上50) の間で飛行ルートを設定し、物流用ドローンの自律飛行による医療物資輸送を行う。 2022年2月に隅田川で実施した医薬品配送では3日間の実証だったが、今回は1ヵ月間の長期運用を行うことで、技術面やビジネス面および制度面の課題を抽出し、医療物資のドローン物流ビジネスの社会実装に貢献する。 今回の実施日時は2023年2月1日から2月28日までの平日10時頃から16時頃まで、1日最大5往復。飛行時刻については、当日の天候や準備状況を勘案し、決定する。 飛行ルートは公立阿伎留医療センター~エスアールエル セントラルラボラトリー (約120㍍)。使用機体はACSL社製「PF2―LTE」。 検証項目は離着陸や飛行中の無人化を見据えた遠隔運航管理のオペレーション。長期運用における検体輸送 (研究用検体) における品質管理。     ◇ ドローン物流の社会受容性向上に向けたイベントでは、地域の小学校で、児童を対象としたドローン物流に関する教室を開催。ドローンの安全管理の仕組みや法制度についての説明、社会受容性に関する調査、実際に使われる機体を用いたプロモーションフライトなどを行った。都市部におけるドローンサービスの実現には、地域住民を含む第三者上空の飛行が必要となる可能性が高いため、事業性の確保だけでなく、社会受容性向上が必要不可欠だ。イベントを通じてドローンの利便性・安全性に関する情報発信をすることで、ドローン物流ビジネスの社会実装における課題の1つである、地域住民の認知度・理解度向上を目指した。    今後の展開では、実証におけるドローン物流の長期運用を通じて、技術面やビジネス面、制度面の課題を抽出し、恒常的なドローン飛行に必要な安全運航体制やビジネスモデルの検討を行う。また、2023年度には都心部でのレベル4飛行実証、2024年度には都心部での長期的なレベル4飛行実証を行う予定。将来的には、ドローンを活用したまちづくりの実現に向け、物流をはじめとする多様なサービスの展開を目指し、実証を進める。