
メガチップス、国内向けIEEE802.11ah対応無線トランシーバーSoC「MML100A」の量産開始
株式会社メガチップスは、長距離無線通信(Wi-Fi HaLow™)技術のリーディングカンパニーであるMorse Micro PTY. LTD.(以下、Morse Micro社)との戦略的提携により、IEEE802.11ah(Wi-Fi HaLow™)規格に対応したSoC「MML100A」(以下、本製品)を開発し、2025年6月より日本国内において初めて量産を開始したことを発表した。
本製品は、IoT用途を主なターゲットとするIEEE策定のLPWA(Low Power Wide Area)向け通信規格であるIEEE802.11ah(Wi-Fi HaLow™)に準拠しており、日本の電波法令に則した仕様を備えることで、国内市場に最適化された長距離かつ低消費電力の無線通信を実現する。
近年、さまざまな産業分野でIoTの活用とDX(デジタルトランスフォーメーション)が急速に進んでおり、無線通信機能を必要とするシステムやアプリケーションの需要が急増しています。このような状況の中、当社の本製品は、これまでの技術的な制約で実現が困難であったシステムの構築を可能にします。メガチップスは、本製品を通じて、産業分野の最適化と利便性の向上を図り、持続可能でより豊かな社会の実現に貢献していくとしています。
製品概要
メガチップスは、Wi-Fiの新規格であるIEEE 802.11ah(Wi-Fi HaLow™)に準拠したSoCを、国内市場向けに製品化しました。本製品は、低消費電力かつ長距離通信が可能な特長を備え、新たなIoTアプリケーションへの対応はもちろん、従来のWi-Fi製品からの置き換えにも最適です。
主なアプリケーション
・監視カメラ ・EV充電ステーション
・照明制御 ・工場内、倉庫内ネットワーク
・ドローン ・スマートホームネットワーク
・建設現場ネットワーク ・農場ネットワーク
・アクセス・コントロール・システム ・ホームセキュリティ
・スマートビルディング ・スマートメーター
・防災システム ・中継機(レンジエクステンダー)
・その他IoTシステム
IEEE802.11ah (Wi-Fi HaLow™) の特長
・長距離通信性能:Sub-GHz帯(920MHz帯)を利用することで、従来のWi-Fiと比較して広範囲にわたる通信ネットワークを実現できます。障害物の多い環境でも安定した接続が可能となり、屋外や広域施設でのIoT展開に最適です。
・優れた省電力性:低消費電力設計により、バッテリー駆動のIoT機器で長期間の動作が可能です。センサーネットワークや監視機器など、メンテナンス頻度を抑えたい用途において効果を発揮します。
・Wi-Fiファミリーとの高い親和性:従来のWi-Fiと同じプロトコルスタックをベースにしているため、既存のIPネットワーク資産との互換性が高く、システム統合が容易です。クラウド連携や既存インフラへのスムーズな導入が可能です。
・数千台規模の同時接続を実現:1つのアクセスポイントで約8,000台の端末と通信が可能です(理論値)。センサーネットワークや農業、倉庫、工場など、多数のIoTノードを扱うシステムに最適です。
メガチップスについて
メガチップス(https://www.megachips.co.jp/)は、日本初の『システムLSIのファブレスメーカー』として1990年に創業して以来、研究開発に特化して独自技術を磨き、独創的なLSIを開発してきました。急速な情報技術革新により市場ニーズが複雑化する中、独自のアナログ・デジタル技術を駆使したLSI、モジュールを、設計から開発、生産までトータルソリューションでグローバルに提供しています。
また、国内外の大学との共同研究開発や米国でのCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)を活用したスタートアップ企業への事業投資や戦略的提携も推進しています。
メガチップスは、今後さらなる成長が見込まれる産業機器、5G通信インフラやFA等の分野に注力し、独自性を備えた高機能LSI・モジュールでよりよい社会の実現に貢献するとしています。
この記事を書いた記者
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営業企画部
営業記者 兼 Web担当
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