
スカパーJSAT 「SPEXA」で新たな宇宙事業を紹介 衛星コンステレーションを自社保有へ
自社保有による低軌道観測衛星事業を推進
スカパーJSAT(東京都港区、米倉英一社長)は、7月30日~8月1日に東京ビッグサイトで開催された「第2回SPEXA国際宇宙ビジネス展」にブースを出展し、同社が手掛ける宇宙事業の概要を紹介したほか、今年2月に発表した自社保有による低軌道観測衛星事業について説明した。(写真㊤は次世代光学観測衛星「Pelican」の模型)
多くの来場者で賑わうスカパーJSATのブース
スカパーJSATは、これまで同社が保有する静止軌道衛星を利用した衛星通信サービス事業を展開してきた。このほど、同社米国子会社JSAT International Incが米国で新たに設立するJSAT Beyond Innovation LLCを通し、約230百万米ドルの投資を行い、衛星コンステレーションを自社で構築・保有し、地球観測衛星事業に本格参入する。それに伴い、米国のPlanet社が開発する次世代光学観測衛星「Pelican」を採用した低軌道衛星コンステレーション構築に向けて協業を開始する。
安全保障分野での需要拡大が見込まれる中、衛星コンステレーションを自社保有することで、地球観測衛星データの安定供給能力を強化するという。防災・減災分野をはじめとする多様な需要を着実に取り込むと共に、同社のデータ解析力を最大限に活用した新たなニーズの開拓を進め、今後の成長戦略の柱とすることを目指す。
スカパーJSATとPlanet社はこれまで10年以上に渡り、Planet社の観測衛星画像販売などで連携を進めてきたが、世界最先端の性能をほこるPlanet社の「Pelican」を用いた衛星コンステレーション事業を推進することで、両社のシナジーを最大化し、宇宙事業のさらなる発展を目指すとしている。具体的には、2026年度中に1機を打ち上げ、27年度中に9機を打ち上げて10機による低軌道地球観測衛星衛星コンステレーションを構築する計画だ。
次世代光学観測衛星「Pelican」イメージ図
Photo credit: Planet Labs PBC
「衛星オペレーター」から「宇宙ソリューションプロバイダー」へ
スカパーJSATの担当者は「第2回SPEXA国際宇宙ビジネス展」に出展した理由を「当社がメディア事業とともに宇宙事業を手掛けていることを改めてアピールさせていただこうと思い、出展を決めました」と説明し、「これまでは主に高度3万6000㎞の静止軌道衛星を使った通信サービス等を展開する『衛星オペレーター』として展開してまいりましたが、今後はそれらのサービスは続けつつ、低軌道の地球観測ビジネスにも積極的に参入し、『宇宙ソリューションプロバイダー』を目指して宇宙事業を拡大してまいります」と話していた。
この記事を書いた記者
- テレビ・ラジオ番組の紹介、会見記事、オーディオ製品、アマチュア無線などを担当