
陸上養殖のESG化推進で連携協定 NTTG&FとOUGHD
NTTグリーン&フード(久住嘉和代表取締役社長、NTTG&F)とOUGホールディングス(橋爪康至代表取締役社長、OUG)は8月19日、陸上養殖を通じた水産業のESG化推進に向け、相互協力に向けた協定書を締結した。
ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字を取った言葉で、企業が長期的に成長するために考慮すべき3つの観点を指す。
NTTG&Fは地域を起点にした循環型でサステナブルな陸上養殖事業を通じて食料・環境問題解決に貢献することを目的にNTTと京都大学発スタートアップ企業のリージョナルフィッシュ株式会社の合弁会社として2023年7月に設立。昨年12月に静岡県磐田市に陸上養殖プラントを設立してシロアシエビの養殖事業を開始したほか、宮城県気仙沼市でのトラウトサーモン養殖事業を発表しており、将来的にはこうした魚介類の生産による水産事業だけでなく、エサとなる藻類の生産・販売や陸上養殖システムそのものの販売も目指すとしている。
OUGは、1947年10月に大阪市中央卸売市場で水産物の卸売業者「大阪魚市場株式会社」として創業。2006年10月に現社名に変更すると共に持株会社体制に移行し、水産物荷受事業「うおいち」や卸売事業「ショクリュー」をはじめとした各種水産関連事業を全国に展開している。
協定では、主に①「陸上養殖によるサステナブルな魚介類の生産」②「サステナブルな魚介類の商品開発、販売」③「環境変化に対応する種苗・中間魚の開発」に向けて連携して取り組む。
具体的には、NTTG&F側が気候変動や天候、海洋環境に左右されない計画生産可能な養殖システムの確立や排水処理、循環型システムによる海洋汚染の抑制や陸上養殖プラントによる雇用創出、IoTやAI活用によるスマート養殖による生産効率や品質向上に向けた研究を進め、OUG側は地産地消、環境に配慮した流通・販売の推進を担う。また両社共通の取組として、海面養殖事業への中間魚の開発と安定供給、陸上と海面をつなぐシームレスな養殖モデル構築による地域産業の活性化を目指すとしている。
流通面では顧客ニーズに合わせた商品荷姿の開発や最適な流通の構築を進めて新たな水産バリューチェーンの構築を進めるほか、ブリの国産種苗や高温、低温耐性や高成長、耐病性といった環境対応特性を備えた中間魚の開発に向けた取り組みの推進、魚粉代替飼料の開発等に連携して取り組む方針という。
東京都港区芝公園のザ・プリンスパークタワー東京で行われた記者会見では、NTTG&Fの久住社長とOUGの橋爪社長が出席し、業務提携に向けて協定書を締結した。
久住社長は、「我々はおいしい魚をこれからの時代も安心して食べ続けることができる社会を作るという使命の下に、ICTや環境セーブ技術を活用した陸上養殖事業に取り組んできた。一方、OUGグループさんは水産物流通のリーディングカンパニーとして長年にわたって全国の家庭に安全でおいしい水産物を届けてこられた。両者が環境、社会、ガバナンスの観点で持続可能な事業を推進するESG事業に共感したこと、今後10年、20年後を見据えた未来の水産業への思いが重なり合って今回の連携が実現した。連携によって生産から流通、販売までをシームレスにつなぎ、環境に配慮した高品質な水産物を安定して供給する、正に新しいバリューチェーンが構築できると自負している」と話した。
続いて橋爪社長も、「弊社は近畿を中心に5市場で営業する水産卸の荷受け会社。ショクリューは北海道から九州まで各営業所を持ち、エビ輸入の大手商社を持つ会社。これに九州中心にブリ養殖を手掛ける兵殖の三事業会社を核としている。近年水産物、天然魚がかなりの確率で減少の一途をたどっている。高水温化や乱獲など要因も多いが、水産物資源の減少は歯止めが利かない状況となっている。また平成15年には25万人規模いた漁業者も半数以下となり厳しい水産業界となっている。こうした中、NTTG&FさんがSDGsやスマート水産事業の一環としてエビ養殖事業を進めていることに共感し、共に販売を頑張っていこうと考えた。ますます厳しい水産業界だが、これを契機に頑張っていきたい」と意気込みを語っていた。
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