次世代リーダー育成目指し連携協定 NTT東日本とミネルバ大学、グローバルで活躍する人材教育モデルを共創

 NTT東日本(東京都新宿区、澁谷直樹代表取締役社長)とMinerva University(米国カリフォルニア州サンフランシスコ、マイク・マギー学長、ミネルバ大学)、一般社団法人Minerva Japan(東京都港区、坂江裕美代表理事、ミネルバジャパン)は2025年9月8日、世界が抱える複雑な社会課題を解決し、貢献できる次世代のグローバルリーダー育成を目的とした新たな教育モデルを共創することを目的に、連携協定を締結した。
 現代社会は、急速なグローバル化、地政学的リスクの高まり、AIをはじめとする技術革新などにより、複雑かつ不確実性の高い時代を迎えている。こうした時代では、知識の習得にとどまらず、課題を自ら発見し、他者と協働しながら解決策を導き出す実践力が求められている。
 NTT東日本は、「地域循環型社会の共創」をパーパスに掲げ、地域課題を起点とした価値創造やテクノロジーの社会実装を通じて持続可能な社会の実現に取り組んでいる。教育分野でもこれらの取り組みの知見を活かした次世代教育プログラムの開発・提供を進めている。
 またミネルバ大学は、学生の9割以上を、世界の約100カ国からの留学生が占める多様性を実現しており、国連関係機関により、2022年から4年連続で「世界で最も革新的な大学」として選出されている。授業は、オンライン・プラットフォームを通じて提供されており、世界中のどこからでも受講が可能。さらに、学生たちは在学中の4年間で世界複数カ国の主要都市を巡り、現地の企業・NPO・行政・研究機関などと協働したプロジェクト学習やインターンに取り組む「ローテーションプログラム」に参加している。
 協定ではこうした両者の強みを融合し、日本のさまざまな地域に出向き、地域の方々と交わりながら五感で学ぶ実地学習と生成AIをはじめとしたテクノロジーの社会実装に向けた共同開発を組み合わせた実践的な教育モデルを構築することで、日本を起点としたグローバルリーダー育成の寄与を図る。
 協定により、三者は日本各地での実体験と生成AIなどの最先端テクノロジーを掛け合わせた実践的な教育モデルを構築し、より良い世界の未来を創るグローバルリーダー育成の推進を目指す。次の4点で連携に当たる。
 ①テクノロジーを活用した共同教育プログラムの開発に関する事項②地域滞在型の共同教育プログラムの開発に関する事項③共同教育プログラムの教育機関への提供検討に関する事項④教育を通した地域の振興・交流・まちづくりに関する事項
 具体的な取り組みとして、ミネルバ大学が展開する実社会課題に基づく学習プロジェクト「Civic Projects」と連携し、日本各地をフィールドとした実地学習の共同設計や、生成AIをはじめとするテクノロジーを活用した社会課題解決に資するデジタルサービスの共同開発などを実施する予定。
 また日本の社会課題に根ざした現地での体験学習プログラムとして、初回は岩手県釜石市を舞台に、防災・復興を学ぶプログラムをミネルバ大学の学生に提供する。このほか、社会課題解決に資するデジタルサービスの共同開発として、生成AIを活用した、探究的な学びを支援する次世代教育モデルの開発・実証などを予定している。
 協定締結式に参加したNTT東日本の澁谷社長は、「教育分野は社会・地域からの要望が強い産業分野。我々は教育分野では様々な事業で取り組ませていただいており、従来からICT分野で教育を支えるという意味ではかなり強いポジションにいると思っている。今注目しているのが2020年から始めた探究型学習。NTT東日本グループのLandscape社では社会人向けの屋外型リーダーシップ研修を始めた。探究型学習は今後社会の要請が高まると思っている。これからの教育がより社会に役立つ人材を育てるという方向に変わる中で、大学では世界№1のミネルバ大学と日本のフィールドで探求型教育モデルをつくり・人材を育てることで、ICT環境の整備だけではないところに事業を伸ばしていけるのではないかと考えている」と期待を寄せた。
 またミネルバ大学のマギー学長は「我々もレジリエントな社会の構築にコミットメントしていくという同じ方向を向いていることで協定に結び付いた。NTT東日本様は理想的なパートナーと考えており、今後共に様々な分野で成長し、日本のみならず海外でも協力を進めていきたい。志あるリーダーを作ることが日本でも重要。我々の持つ多様な能力で社会問題を解決することに協働することに醍醐味がある」と話していた。