
マスプロ電工が自動認識総合展に出展 UHF帯RFIDゲートアンテナなどに注目
マスプロ電工は、「第27回 自動認識総合展」に出展し、新製品の6ポートリーダライタや豊富なラインアップのRFIDアンテナをはじめとした各種RFIDソリューション機器や、導入へのサポート体制などを紹介した。また、参考出品としてUHF帯RFIDセルフレジボックスやUHF帯RFID読取りボックスなどを展示した。
UHF帯RFIDゲートアンテナ「RDG7」では、マスプロ電工が長年テレビ受信で培った高周波技術を活かした、誤読の少ないゲートアンテナを展示した。通過するだけで瞬時に一括で多数のRFタグを読取ることができるゲートアンテナ。各製品にRFタグを貼り付けることで、開梱して中身を一つひとつ確認する必要がなくなる。
複数の荷物を台車などに載せて通過するだけで入出庫管理が一括で行える。高さや幅のサイズをカスタマイズできるため、顧客の使用環境に合わせて最適なゲートを作製できる。在庫管理や防犯対策、業務効率化に最適だ。
具体的には、高さは4種のパーツで19段階のカスタマイズが行える。最大約3100㍉㍍から最小約1000㍉㍍までベルトコンベアや人+モノ、フォークリフトといった読取る対象に合わせて調整できる。〝誤読が少ない〟では、ゲート外の電波漏れを抑制する設計で実現した。天面からの電波漏れ防止には天面用シールドカバーが付いている。範囲外RFタグの誤読を防止する。幅は設置場所に合わせて調整できる。3つのユニットで最適な横幅に変えられる。
オプションでゲート出入口にタブレットの設置が可能。同じく脚部にキャスターの設置が可能で、赤外線センサーも搭載可能だ。
奥行きロング版「RDG70」もラインアップしている。
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RFIDリーダライタでは、2025年にラインナップを一新した新型のUHF帯RFIDリーダライタ(6ポート)など3機種を展示した。新型のRFIDリーダライタは、本体にアプリケーションを実装し、制御することができるので、外部にパソコンを必要としないシステムの構築も行える。また、PCとUSBケーブルで接続するだけで簡単にRFIDが導入できるアンテナ一体型のリーダライタ「RWLU3000」や2ポート型のリーダライタなどラインアップしている。
リーダライタ「RWHL2106」は、標準的な物品管理棚を1台でカバーできる6ポートタイプ。最大6台のアンテナが接続可能。多くのアンテナを必要とする用途において、システムの構築が実現する。多彩な出力端子を搭載している。表示灯は今回、側面から前面に変更して見やすくなった。陸上移動局(免許局)、構内無線局(免許局)に対応し送信出力が1㍗以下の出力機。
組込みアプリケーションを開発し、リーダライタに搭載することでパソコン不要のスタンドアローン稼動ができる。上位インターフェース、多ポートによりRFIDシステムをより容易に構築できる。パソコンでRFタグの読取り、書換えが可能なデモソフトウェアを標準配布している。
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UHF帯RFIDセルフレジボックス 、UHF帯RFID読取りボックスなどを参考出品した。
『RF重量変位計+RFID』(参考出品)は、離れたところから重量データを取得できるバッテリーレスでメンテナンスコストを削減する。RF重量変位計(イーガルド社製)はUHF帯RFIDセンサーを用いた重量計で、非接触でモノの重量データを取得することができる。リーダーから電波で電力を補うため、本体にバッテリーを搭載する必要がない。デモでは袋に入ったコネクタのロットの重量を測るところをみせた。
特長は▽RF静電容量センサーを採用=重量の変位によって増減する内部電極間の静電容量をRFタグが検出する▽電池交換不要のパッシブ対応=最小限のメンテナンスで長期間使用が可能▽遠隔操作が可能なUHF帯RFIDセンサー▽重量データを一括で読取り=1台のリーダライタで複数のRF重量変位計を読取れる▽測定誤差を防ぐキャリブレーション機能搭載=測定値にズレが生じた場合でもキャリブレーションを行うことにより正確なデータを取得できる。
『UHF帯RFIDセルフレジボックス』(参考出品、特許出願中)は、RFタグ付き商品を一括で読取り、電波漏れ抑制構造で、瞬時に会計処理できる。収納部にRFタグ付商品を入れ、アプリケーションを操作すると、一括で収納部内の商品情報を読取る。搭載するシートアンテナの狭指向性化と電波漏れ抑制構造により、読取りボックスの外にある意図しない商品(RFタグ)を読取るトラブルを防止でき、正確な会計が実行できる。
特長は次の通り。
▽RFタグ付商品を収納部に入れると読取り=収納部にRFタグ付商品をいれ、アプリケーションを操作すると、RFタグの読取りができる▽大きいサイズの商品読取りに便利なラケットアンテナ搭載=収納部に入らない大きな商品の場合、ラケットアンテナを商品にかざすとRFタグの読取りができる▽電波漏れを抑制=セルフレジボックス内は、狭指向性アンテナを搭載し、電波漏れを抑制する構造となっている▽タブレットの設置が可能。
『UHF帯RFID読取りボックス』(参考出品)は、収納部に入れた商品のRFタグを確実に読取るボックス。ボックスの収納部にRFタグ付商品や備品などを入れ、アプリケーションを操作すると、一括で収納部内の商品などの情報の読取りができる。
様々な業種・環境での活用が可能だ。例えば、小売業のセルフレジでの活用では▽カゴの中をまとめて読取れるため迅速かつ正確▽人手不足の解決策として有効▽会計と同時に商品管理も完了。人的ミス防止に有効。このほか、貴重品や医薬品、管理物品の持出管理に活用できる。
特長は次の通り。
①RFタグ読取部がコンパクトに設計されているため、限られた設置スペースを効率よく利用することができる②外からの電波干渉を防止するシールド構造の採用により、ボックス周囲のRFタグの誤読を防止する③筐体には、電気錠が搭載されているので貴重品等を管理できる④ボックスの開閉を検知するセンサーを内蔵しているため、RFID機器の動作をスムーズに行える。
このほか、各種RFIDアンテナを一堂に展示した。平面アンテナやシートアンテナなどマスプロの豊富なラインアップのRFIDアンテナを紹介した。顧客の使用用途や使用環境に合わせた最適なアンテナを提案した。
この記事を書いた記者
- 元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。
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