CEATEC2025開催概要発表 JEITA 周年開催の昨年と同規模開催、AI特化の企画展示も設置

 一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は9月11日、東京都千代田区中央区日本橋の日本橋フロント「AP日本橋」で会見を開き、国内最大級のデジタルイノベーションの総合展「CEATEC(シーテック)2025」(主催:一般社団法人電子情報技術産業協会〈JEITA〉、共催:一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会〈CIAJ〉、一般社団法人ソフトウェア協会〈SAJ〉)の開催概要を発表した。
 CEATECは、「エレクトロニクスショー」と「COM JAPAN」の2つの展示会を統合する形で2000年に発足。デジタル産業を支える人たちとデジタル技術を活用する人たちが一同に会し、デジタル技術の発展ならびに社会実装はもとより、デジタル技術に親しみ、学び、共創する場を提供することで、社会を豊かにすることを目指す、「デジタルイノベーションの総合展」 として、昨年開催25周年を迎えた。
 日本自動車工業会主催によるジャパンモビリティショーと同時開催した昨年のCEATEC2024では、4日間で延べ11万2014人が来場。スタートアップや大学研究機関188社/団体、海外出展者25カ国158社/団体を含む合計808社/団体が出展し、過去3番目の規模となった。
 今年は昨年に続いて開催テーマを「Innovation for All」とし、経済発展と社会課題の解決を両立する「Society 5・0」の実現を目指し、あらゆる産業・業種の人と技術・情報が集い、「共創」によって未来を描くことを開催趣旨に掲げた。会期は2025年10月14日(火)~17日(金)の4日間で、開催時間は午前10時から午後5時まで。会場は幕張メッセ(千葉市美浜区)。入場無料(全来場者登録入場制)としている。
 今年は800を超える企業/団体が出展を予定しており、うち半数近くがAI関連の展示を予定している。一般展示のほかに、テーマに合わせた企画展示ブースとして、「AXパーク」「パートナーズ&グローバルパーク」「ネクストジェネレーションパーク」の3つのエリアを用意。また期間中は総数180を超えるコンファレンスプログラムも用意している。
 AXパークは、AI Transformation(AX)をコンセプトに、研究機関からスタートアップまで多様な出展者が集い、AIの最新技術と
社会実装の取り組みを紹介する。特設ステージでは生成AIや産業AIなど幅広い分野のセッションを連日開催。展示とプレゼンテーションを通じて、AIの現在地と未来を体感できるエリアとなっている。
 パートナーズ&グローバルパークは昨年の「パートナーズパーク」と「グローバルパーク」を発展・統合させた位置づけで、「Society 5・0」の実現を目指した14の独自テーマを設定したパビリオンが出展する。中でも、最先端のスマートホーム展示を抱える「暮らしのDXパビリオン」や、海洋に特化したソリューション等を集めた「海洋デジタル社会パビリオン」が注目。また、EU各国プラス5か国(EU:日欧産業協力センター、カナダ・オンタリオ、ラトビア、インド、ウクライナ、ウズベキスタン)がブースを構え、最先端技術や革新的なソリューションを発信する。
 ネクストジェネレーションパークは、「次世代のイノベーションエコシステム」の実現に向けて100以上のスタートアップ、大学研究機関、企業内新規事業開発部門が出展する。共創パートナー・協賛・スポンサーなどの協力のもと、トークステージを新設。マッチング支援企画として、共創体験ツアーや、共創アイデアを生成するAIエージェントなどを予定している。
 コンファレンスプログラムでは、「AI」「サステナビリティ」「地方創生2.0」、「オール光ネットワーク」など、多数のセッションを用意。JEITA代表理事で三菱電機代表執行役社長CEOの漆間啓氏や本田技研工業代表執行役社長の三部敏宏氏らが参加するオープニングセッション「サステナブルな社会の実現に向けて」や、人気アニメ「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」で脚本を務めたサラマンダー代表取締役社長の櫻井大樹氏やGen―AX代表取締役社長CEOの砂金信一郎氏らを交えた「AIエージェント産業革命と日本のポテンシャル」をはじめ、最新のトレンドに関する展望を知ることができる。また4日目には吉村洋文大阪府知事も参加し、大阪・関西万博に関する講演を予定している。
 会見した鹿野清エグゼクティブプロデューサーは、「昨年はジャパンモビリティショーとの共催という形で2つの展示会を一緒にやって、四半世紀の歴史の中でも新しいマイルストーンを築き上げて25周年を終わらせることができた。昨年は808の団体や会社が出展し、25年の歴史でもトップクラスの数字となった。特にスタートアップや大学研究室、企業の新規事業の方にも出展いただくエリアは新たなシンボリックな場所となった。昨年はようやくコロナ前の規模に近づいた。モビリティショーとの併催のおかげで展示会の中でも日本のほぼ全ての産業界をカバーできることを念頭に進めている。来場者の滞在時間も平均4時間を超える方々が半数、6時間以上が6割以上となっており、説明員の方との会話時間が増えていることを示している。ぜひ1日以上滞在していただき、共創の場を体感いただきたい。今年はシーテック単独だが、昨年とほぼ同等規模の開催を予定している」と話した。
 また出展者の半数近くがAI関連とし、「AIは日々進化している。これまでは工場や企業、製造での利活用だったが生成AIの形で一般にも広がり、応用範囲が広がった。またそれを支える技術も変わってきている。AIそのものをマネジメントすることも難しくなっており、AIエージェントに任せる考え方も増えている。企業のビジネスを支える技術やデータセンターのための電力が必要にもなる。かたやエッジAIなど現場での活用など方向性も広がっている。昨年よりAIの活用は幅広く深くなっており、また日本はそれを支える部品やデバイスも重要となっている。そういったところも注目してほしい」と話していた。
 開催に先立って10月7日(火)には報道関係者を対象とした記者会見を予定しており、出展の中でも特にイノベーション性が高く、優れた技術や製品、サービスを表彰する「CEATEC AWARD 2025」の受賞発表や、受賞作品の先行展示として「CEATEC AWARD 2025 Select Collections」を予定している。

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kobayashi
主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。