アルティウスリンク、「災害対策フェスタ2025」を開催

 アルティウスリンク(東京都渋谷区、若槻肇代表取締役社長)は、札幌市のBPO・コンタクトセンター拠点「Polaris_Sapporo」にて、北海道、札幌市、札幌市青少年科学館後援のもと「災害対策フェスタ」を8月30日に開催した。
 災害対策フェスタは今年で4回目の開催。イベント当日は悪天候だったにもかかわらず、過去最多となる約380名が来場した。今回のイベントでは、防災知識を子どもから大人まで楽しんで学んでもらえるように、体験型や講話などさまざまなコンテンツを用意した。
 「Polaris_Sapporo」では、地域全体で助け合うDCPを取り入れ、防災拠点として貢献することで地域住民の安心につなげたいと考えている。DCP(District Continuity Plan、地域継続計画)とは、被災時に優先して復旧する施設設備等を地域で合意形成のうえ決定し、早期復旧地域の機能を継続させるための計画。
 例えば、自家発電機や2系統受電の設備を備えており、災害発生時にスマートフォン充電ブースを設置し、近隣住民へ提供するほか、敷地を避難場所として開放するなどの体制整備を行っている。こうした取り組みを知ってもらうとともに、防災知識を学び、家族や身近な人と災害対策について話し合うきっかけにしてほしい、という想いでイベントを開催した。
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 今回のイベントでは、イベント趣旨に賛同した企業・団体の協力のもと、さまざまなコンテンツを用意した。本レポートでは、コンテンツの一部をご紹介させていただきます。
 KDDIの豪雨災害VR体験・車載型基地局アンテナ操作では、VRゴーグルを使った豪雨による浸水被害の疑似体験や、災害地で活躍する車載型基地局でのアンテナ操作体験を実施。地震をはじめとする自然災害が多発している現在、情報収集や連絡手段として頼りになるのがスマートフォン。そんなスマートフォンの通信の安定を被災地で守っているのが、「車載型基地局」。車載型基地局とは、アンテナや無線機など通信に必要な設備を搭載し、災害時や多くの人が集まるイベントなどスマートフォンがつながりづらい場所に出動して電波を届ける役割を担っている。自分で操作したアンテナがどんどん伸びていく様子を見て、子どもも大人も「おぉ~!」「すごい!」と驚きと感動の声をあげていた。
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 北海道・北海道立総合研究機構のコーナーでは、「地震」と「住まいの耐震性」に関する講話/住宅模型を使った実験・液状化現象の実験を行った。
 気象庁によると、北海道における震度5以上の地震は52回(1919~2025年)で、なかでも最大震度7の北海道胆振東部地震は道内に多大な被害を及ぼした。自分自身や周りの大切な人を守るために、地震の仕組みや住宅の耐震性について理解を深める講話を実施。また、住宅模型を使った実験や液状化現象の実験を通し、住宅構造による揺れ方の違いや耐震性について多くの人が学んだ。
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 日清食品/伊藤園の防災食・備蓄を展示した。両社のブースでは、日本災害食認証に認定された「完全メシ」や、長期保存が可能で防災食にも最適な「1日分の野菜」などの備蓄食を展示、紹介した。普段食べている食材を多めに買って、日常の食事で食べ、補充するということを繰り返して一定量の食品が備蓄されている状態を保つ「ローリングストック」についても学んだ。
 このほか、こどもカンパニーのあんぜんヒーローになろう!~ぼうさいクイズ~では、「Polaris_Sapporo」の併設保育園を運営するこどもカンパニー協力のもと、かわいいイラストのクイズ形式で子供に楽しんで防災を学んでもらった。 クイズの後半には札幌市のご当地キャラクター「しろっぴー」や「くろっぴー」、J:COM「ざっくぅ」、「Ponta」が大集結し、会場は盛り上がった。
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 イベント参加者に実施したアンケートでは、「災害対策フェスタの満足度」が95%と好評価で、「最近災害が多いので色々準備するのにいい勉強になった」「子どもにも分かりやすい内容で、親子で一緒に防災を学べて良かった」といった声があった。また、99%の人が「また参加したい」との意見があった。
 自然災害はいつ、どこで起きるか分からない。参加者一人ひとりが「どのように自然災害と向き合ったら良いのか」考え、防災に対する意識をもって日々の生活をする大切さを実感してもらったイベントとなった。