
危機管理産業展にビット・パークが出展
ビット・パーク(東京都目黒区、野口修代表取締役)は、「危機管理産業展(RISCON TOKYO)2025」内『東京都中小企業振興公社ブース』に出展し、避難所の早期開設を支援する「ココBOXⅡ」などを展示紹介した。「ココBOXⅡ」は、避難所や防災庫の鍵を保管するボックスを、緊急時にパソコンやスマートフォンからリモート解錠できる「ココBOX」の新タイプで、Jアラートに対応している。動作状況がひと目でわかる管理画面とあらゆるセンサを組み合わせ、災害発生時のスムーズな避難所開設を支援する。管理画面とともに避難所開設を知らせるメール通知機能や避難所チェックリスト、予備バッテリー監視など充実した防災DX機能を実装した。
複数の拠点に設置した「ココBOXⅡ」を地図と連動させて一元管理(待機、解錠、開扉の状態確認)をすることで、災害発生時に迅速な避難所開設の手助けを行う。地震はもちろん、津波、台風、豪雨、大雪など様々な災害に対応できる。大規模災害発生時でも「ココBOXⅡ」は関係者に負担を掛けずスムーズな避難所の開設と運用に大きく貢献する。
災害発生時には避難所の確実な早期開設が求められている。昨年1月に発生した能登半島地震では「ココBOX」は震度検知センサー(オプション)で自動解錠、またリモート操作により避難所の早期開設を支援した実績がある。
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ビット・パークの野口修代表取締役は、会場内の危機管理実演・体験コーナーで「避難所・防災施設用 リモート鍵収容箱「ココBOXⅡ」と題して講演・デモンストレーションを行い「ココBOX」の特長などを説明した。要旨は次の通り。
今回は、「ココBOXⅡ」というリモート解錠キーボックスをご紹介します。「ココBOX」は実は、新潟県佐渡市に20数台ほど導入されています。令和6年1月1日に発生した能登半島地震で震災当夜、佐渡市に設置された「ココBOX」は2830名の島民の方の避難をサポートし、安全確保に貢献しました。2830名の方が避難所で夜を過ごされました。
そして、昨年の「ジャパン・レジリエンス・アワード2025」(一般社団法人レジリエンスジャパン推進協議会主催)で優秀賞を受賞しました。本日は「ココBOX」の後継機である「ココBOXⅡ」のデモンストレーションを行います。
正面に3台「ココBOX」が設置しています。管理画面もご覧いただきたいと思います。東京ビッグサイトに置かれているという想定です。現在は「ココBOX」は閉まった状態です。普段は開けることができません。ただ、災害になると、どうしても避難所の鍵を持った人がこちらの避難施設に駆けつけなければなりません。能登半島地震の時も非常に大変な状況で佐渡は震度5強という強震でした。その時に果たして鍵を持たされた人が避難所の開設に行けるかどうか、ここが非常に大きなポイントになります。
残念なことに、新潟県、富山県での避難所の鍵開けは未だ人に頼っており、自治会長に鍵を持たせる、自治体の管理の人が鍵を持って命を冒して開けに行く。人に頼るという防災現場でののひとつのパターンとなっています。ビット・パークの「ココBOX」はそれを一切しないデジタル技術を使って、地震が発生、津波が発生という時に、警報と同時にリモート遠隔操作で開けましょうというコンセプトで開発したものです。
令和6年1月1日、能登半島地震の際、発災が16時10分でしたが、当社の「ココBOX」は地震の検知機能がついているので、1分後、9台が自動で開きました。デモンストレーションとして地震が発生したとしてちょっと筐体を揺らしてみると、「ココBOX」は地震検知センサーが付いておりますので、緑色のランプが点いてこのように開きました。自動解除になりました。
能登半島発災の直後、1分後には「ココBOX」の鍵が開きました。こういった鍵を安全に受け渡すための仕掛けとして、「ココBOX」が佐渡市で活用されています。
次にリモートで開けるデモンストレーションを行います。ここではJアラート警報と連動したシステムとなっているとご承知の上で、仮にJアラート警報を出してみます。想定として目黒川の水位が上昇しました。Jアラートが発令されました。そこでJアラート発生のシミュレーションのスイッチを、Jアラートの信号を受信したという仮定でスイッチを押すと、Jアラートの信号が消防庁から自治体の防災無線装置を経由して、今「ココBOX」に送られました。そして、緑色のランプが点灯し、こちらの状態で開きました、Jアラートの警報と間髪を入れず、こちらの「ココBOX」を遠隔制御で開けたという状態です。画面上にはJのマークが付いたアイコンが並びます。連動して「ココBOX」が解錠されているというアイコンが表示されます。この状態でしかるべき人が、「ココBOX」の鍵を取り出すことになります。
もう一つ大きな特徴として、「ココBOX」にはRFIDセンサーが内蔵されているので、どの鍵を取り出したか、例えば防災倉庫の鍵を誰が取り出したか、体育館の鍵を誰が取り出したかというのも、遠隔で監視することができます。
今までは人に頼った防災の対応でした。デジタル技術を使って常に備える防災の仕組みを提供したものが、「ココBOXⅡ」ということになります。
とにかく少子高齢化、鍵を持ってくれる人もどんどん少なくなっています。高齢の校長先生、自治会長さん「次はもう預かれない」いった話をよく聞きます。当社では、独自調査で、日本全国約400自治体に調査したところ、約8割の自治体が、未だ誰かに鍵を預けて災害があった時には駆けつけてくださいといったお約束を取り決めをされているということです。どうしても行けない場合もあるでしょう。そういった場合を回避するために、デジタル技術、通信制御技術、遠隔制御技術を使った当社の「ココBOX」で、安全安心に、鍵の受け渡しを行っていただくというものです。
この記事を書いた記者
- 元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。