
CEATECレポート ツバサ・フロンティア、4時間飛行可能なHVドローン
「CEATEC 2025」(会期:2025年10月14日(火)~17日(金)、会場:幕張メッセ)出展企業からドローン関連企業を紹介する。
千葉県ブースに出展したツバサ・フロンティア(千葉市中央区、田上敏也代表取締役)は、4時間飛行可能なハイブリッドエンジン搭載ドローンと、小型の大気化学物質計測ドローンを紹介した。長時間飛行と低コストな環境測定により、地方自治体の防災業務や研究機関の大気観測における課題解決を目指す。
近年、頻発する自然災害において、ドローンによる被災地の監視や情報収集が重要な役割を果たしている。しかし、従来のバッテリー式ドローンは飛行時間が30分程度と短く、広範囲の監視や長時間の状況把握が困難だった。災害現場では充電設備の確保も難しく、連続運用に大きな制約があった。
4時間飛行可能な災害対応ドローン「DERD」(デルデュ)は、同社が開発した国産ハイブリッドエンジン搭載ドローン。
主な特長は次の通り。
▽圧倒的な飛行時間:国産ハイブリッドエンジン(発電機)を搭載。ガソリンエンジンで発電し、モーターを駆動するハイブリッド方式により、最大4時間の連続飛行を実現。バッテリー式の約8倍の飛行時間を確保した。
▽広範囲カバー:最大航続距離150㌔㍍、速度10m/sで、広域災害時の状況把握に対応する。
▽運用性の向上:バッテリー管理が不要で、現場でのガソリン補給のみで運用可能。充電設備のない災害現場でも継続的な監視が行える。
▽遠隔監視機能:LTEや衛星通信に対応し、離れた場所からでもリアルタイムで現場状況を確認できる。2・4GHz/LTE/衛星での通信により、災害時でも現場の映像を転送する(LTE、衛星による通信はオプション)。
▽軽量化設計:ダンパーによる振動軽減、カーボン素材の採用により、長時間飛行と安定性を両立した。
▽オルソ画像などのデータ作成が可能:ドローンの写真データを使い、オルソ画像や3D点群・メッシュデータの作成も可能(オプション)。
現在、社内で4時間飛行の実証を完了し、デモ飛行を実施中。地方自治体の防災部門や警察、消防などでの活用を想定しており、災害時の初動対応から復旧作業まで、切れ目のない監視体制の構築につながる。
この記事を書いた記者
- 元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。
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