CEATECレポート 日本水中ドローン協会、全方向対流型の水中ドローン

 「CEATEC 2025」(会期:2025年10月14日(火)~17日(金)、会場:幕張メッセ)出展企業からドローン関連を紹介する。

 一般社団法人 日本水中ドローン協会は、「水中ドローン利活用に向けた普及」をテーマに出展した。
 水中施設の点検や軽作業において省力化・省人化に向けて水中ドローンの利活用が進んでおり、点検分野のみならず幅広い分野での活用が進んできている。同協会は水中ドローンの市場の成長と拡大を目的として利活用推進や普及活動、人材育成を軸に活動を進めている。
 水中ドローンの活用事例についてはその用途は浄水場点検、河川点検、井戸点検、ダム点検、オイルフェンス点検、配管・管路点検、深海調査、生けす点検・斃死魚改修作業と多岐にわたる。
 水中ドローンは藻場調査でも活躍している。コドラートを装着した水中度オーんで藻場の被度調査を行う手法により、ジャパンブルーエコノミー技術研究組合(JBE)への申請を行い、「Jブルークレジット」認証を受けた実績がある。
 ブースで実機を紹介したのは、中国のCHASING社の全方向対流型の水中ドローン「CHASING X」。株式会社スペースワン(福島県郡山市、東京営業所:台東区上野、小林康宏代表取締役)が国内正規販売店を務めている。スペースワン社では、水中ドローンの2017年からいち早く水中ドローンの可能性に着目し事業に取り入れてきた。テレビ等での水中撮影をはじめ、インフラ点検、水産施設、土木建設など、様々な依頼を受けて幅広く業務を行っている。
 「CHASING X」は、水中での作業効率を飛躍的に向上する革新的な機能をいくつも搭載していることに加え、SDKを開放しオープンなプラットフォームを提供する。これにより海洋調査から大型施設点検まで、さまざまな分野での活用が期待される。
 主な特長は次の通り。
 ①優れた操作性と運動性能を実現
 業界最高水準となる4.5ノットの航行速度。独自開発のOctoDrive推進システムによる360度全方向移動。8基のスラスターによる安定した姿勢制御。
 ②高精度な撮影機能
 180度の広角視野と4Kの高画質撮影。1万2000ルーメンのLEDライトによる暗所での鮮明な撮影。自動水平補正機能による安定した映像撮影。水中電子ジンバル搭載(オプション)。
 ③高い拡張性と柔軟な運用
 最大潜水深度350m、作業半径400mの広範な作業領域。SDKによるカスタマイズ可能なオープンプラットフォーム。各種センサーや機械アームなどの追加オプションに対応。AIを活用した自律航行機能を順次実装予定。