ミハル通信、音楽ライブで極超低遅延を体感

 一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA、漆間啓代表理事/会長)主催のメディア&エンターテインメント産業分野における日本最大級の総合イベント「Inter BEE 2025」(インタービー 2025)が11月19日に開幕した。
 ミハル通信は、「Inter BEE 2025」に出展し、今年はELLシステムを活用した、リモートプロダクションのデモンストレーション展示や、放送局向けのミニサテ装置の展示を行っている。
 ブース内での注目がライブ配信イベント。渋谷とInter BEE 幕張をつないでライブ! コアラモード.ライブリモートプロダクションだ。コアラモード.は、ボーカルあんにゅとサウンドクリエイター小幡康裕からなる横浜出身の男女2人組ユニット。
 Yamaha Sound Crossing Shibuyaで開催されている実力派音楽ユニットによるスペシャルライブの模様を、ミハル通信ブースにライブ配信。NHKテクノロジーズによる次世代リモートプロダクションのデモに採用された「ELL Lite」を活用し、マルチキャストVPNによる極超低遅延伝送で、音声・映像をリアルタイムに届けた。
 「ELL Liteについては今回64チャンネルを送るということで、エンターテイメントで使われているDanteのインターフェースを通して伝送する、Danteで組まれた分を離れたところに送るのがポイント。ELL Liteは極超低遅延でありDanteが使えるというところを高く評価されています。ELL Liteはエンターテイメント系やテレビ局、ラジオ局で実際にライブ中継で使ってみたいという要望が多くあって、これから年末はイベントが多いので、そこで実際に使っていただいてご評価をいただければと思っています」(ミハル通信)。
 ブース内に設置された「ELL Soundyard」では、PCM音声伝送による圧倒的な立体音響空間を再現。ライブ会場の臨場感を展示会場で体感できた。
 「ミハル通信は、今回、ELL Liteを提供することによって、NHKテクノロジーズの中継車から来ているリモートプロダクションを行うための音声/映像の伝送を行っています。NHKテクノロジーズもブースで同じようにリモート配信を受けています。ヤマハは、Yamaha Sound Crossing Shibuyaのステージを提供しています。ご覧になっておわかりのように、向こう(渋谷)の音声が超低遅延でスピーカーで聞くことができるとともに、こちら(幕張)の音声もマイクを通じて向こうに返しており、向こうで演奏している方もこちらの声が聞こえています。ちょっとした掛け合いもできています。ただ、普通にスピーカーとマイクをつなぐとハウリングが起きてしまうので、ヤマハのシグナルプロセッサがハウリングをキャンセルしています」(ミハル通信)。
 
 なお、11月20日、21日も13・00~13・30、14・30~15・00、16・00~16・30(21日のみ15・30~16・00)にミハル通信ブースにて開催される。

この記事を書いた記者

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。