東芝デジタルソリューションズの顔認識AIとは

 メディア&エンターテインメント産業分野における日本最大級の総合イベント「Inter BEE 2025」(インタービー 2025)が11月19日から21日まで幕張メッセ(千葉市)で開催された。主催は一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)。
 東芝グループ3社(東芝、東芝デジタルソリューションズ、東芝ライテック)は、共同で東芝グループブースを出展した。ブース展示では、多様化する放送システムの未来に向けたソリューションとして、IP/ソフトウエア応用技術への取り組みや様々な最新技術・製品を紹介した。
 東芝デジタルソリューションズは、統合映像コンテンツ管理「meify」(参考出展)などを展示紹介した。
 「meify」は、映像コンテンツを中心とした放送局の新しい業務スタイルに寄添う、統合映像コンテンツ管理システム。コンテンツのライフサイクル全体に関わる業務において、メタ情報を一元的に管理することで、映像の利活用の促進と業務効率の向上を実現する。
 顔認識AI「カオメタ」は、映像コンテンツを扱うメディア業界向けに開発した顔認識AI。東芝独自の世界トップレベルの高速・高精度な認識エンジンを搭載し、リアルタイム処理やクラスタリング処理など、映像制作・編集をはじめとする幅広い業務を支援する多彩な機能を提供する。
 「カオメタは、経年変化への対応や幅広い撮影条件に配慮した顔認識AIで、さまざまな画像・映像の正確な認識を実現します。1枚の顔画像登録で表情やマスク装着等変動要因にも強く、クラスタリングで辞書未登録の顔認識をサポートします。さらに画面にうつるたくさんの顔も認識します。デモでは新内閣の方々の顔認識をお見せしています=写真」(東芝デジタルソリューションズ)。
 AIテロップ文字認識「モジメタ」は、映像内のテロップなどの文字情報をテキストデータ化するテロップ文字認識AI。テロップ情報のデジタル化により、メタ情報の拡充や映像品質の確認作業を効率化し、映像コンテンツの管理・活用をサポートする。
 「モジメタ」の特長は▽複数フレームにわたって表示される同一テロップを統合して出力する「マージ処理」▽テロップ特有の装飾の多いフォントやデザイン性の高い文字認識に対応▽縦横混在などテロップ特有の表記に対応―など。
 「映像に特化したAIテロップ文字認識モジメタの提供で、複雑なデザインや配色を含む文字情報も高い精度で認識し、放送局の映像確認作業をサポートします」(同)。

この記事を書いた記者

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。