日本通信機、FM災害危機管理通報装置

 メディア&エンターテインメント産業分野における日本最大級の総合イベント「Inter BEE 2025」(インタービー 2025)が11月19日から21日まで幕張メッセ(千葉市)で開催された。主催は一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)。
 日本通信機は、▽災害時に速やかにFM臨災局を置局するための新たなFM伝送方式の提案▽準天頂衛星「みちびき」の災害危機管理通報をFMで放送する技術▽マスター設備向けにRb発振器による高精度な10MHz/1PPS信号▽送受信オールチャンネル対応・各種補償器を搭載した非常用中継送信装置▽親局信号断時にHD-SDIから放送TS信号を生成するマスターバックアップ装置―を展示紹介した。
 『FM災害危機管理通報装置』は、日本独自の準天頂衛星「みちびき」から受信する災害危機管理通報を利用し、地上インフラの被災により通信が途絶した状況でも災害情報等を単独で放送するシステム。
 FM同期放送では、隣接局同士において同一の周波数を使用する SFN(Single Frequency Network)を構築している。同装置はFM同期放送における干渉エリアにおいて、同期放送品質を測定する解析機能を備えている。
 「『FM災害危機管理通報装置』によって、中継局単独で災害情報を放送することができます。製品ラインアップでは受信機『5775A FM SFN ANALYZER』は、山口放送との共同開発品。受信モニタは、RF IN1とRF IN21の受信レベルや音声レベル、変調度をモニタします。音声信号解析では、復調した音声信号の波形比較表示と音声スペクトラム表示機能を行います。このほか様々なモニタ、解析、測定機能を備えます。FM中継装置(子局)は回り込みキャンセル機能内蔵。山口放送、NHKテクノロジーズとの共同開発品。FM変調器(親局)は、モノラル伝送コンポジット信号生成機能内蔵のFM災害危機管理通報装置。こちらも山口放送、NHKテクノロジーズとの共同開発品です」(日本通信機)。

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。