テレビ北海道、トヨタ子会社にバーチャルマスター
メディア&エンターテインメント産業分野における日本最大級の総合イベント「Inter BEE 2025」(インタービー 2025)が11月19日から21日まで幕張メッセ(千葉市)で開催された。主催は一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)。
テレビ北海道(TVh)は、「VMO-AIPlus」を初公開した。VMO-AIPlusはTVhが開発した、テレビ放送の運行状況を監視、制御するマスターの業務をAI(人工知能)で自動化するシステム(※特許・商標登録出願中)。
障害発生時にはAIが原因と対策を瞬時に判断して状況をメールで通知し、オペレーターは監視室にいなくても状況の把握と対応ができるようになる。
障害時の復旧制御をAIに任せることもでき、AIが対応の内容や復旧状況をメールで知らせる。既存の設備の種類やメーカーを問わずに導入できるのも特徴で、マスターで管理している映像の信号や管理用の画面情報をそのまま使って業務を効率化できる。
価格は自動監視と通知のみの基本パッケージが月額40万円(税別)。自動制御などはオプションの機能として提供する。
併せて展示紹介したTVhが開発した「バーチャルマスターオペレーター(VMO)」は、業界で注目を集めたソリューション。
「バーチャルマスターオペレーター」は、様々な設備をリモートで監視制御できるシステム。同システムはこのほどトヨタ自動車北海道(苫小牧市)が導入した。放送局以外では初の受注で、年内12月の納品・稼働を予定している。
「従来、トヨタ自動車北海道では、複数の大型モニターとパソコンを監視室に配備し、監視業務を行ってきました。バーチャルマスターオペレーターを導入することで、1台の横長モニターとタッチパネルで監視を行えるようにし、人員の効率的な配置や監視スペースの縮小につなげます。また、バーチャルマスターオペレーターは遠隔でも同じように操作できるため、在宅での監視が可能になり、災害時の事業継続にも役立ちます。テレビ北海道では、バーチャルマスターオペレーター技術の普及に向け、リモートオペレーションを必要とする様々な分野へ、推進していきます」(テレビ北海道)。
バーチャルマスターオペレーターは、ビル・工場・インフラ設備などの監視業務や、放送局のマスター主調整室業務をリモート運用できるシステム。パソコン画面に各種監視ルームを忠実に再現し、実際の監視室にいるのと同様にリモートで監視・制御ができる。既存設備を改修せずに低コストかつ迅速に導入でき、監視制御サーバーを設置することで複数拠点を同時に統合監視できる。
この記事を書いた記者
- 元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。
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