GEN―AX、先端AIオペレーター「X―Ghost」提供開始
生成AI(人工知能)を活用したSaaSプロダクトの開発・提供と、企業のAX(AIトランスフォーメーション)を支援するコンサルティングサービスを提供するGen―AX(ジェナックス)は、コンタクトセンターにおける自律思考型AIの音声応対ソリューション「X―Ghost(クロスゴースト)」=画像=の正式提供を開始した。パイロットプロジェクトとしての三井住友カード株式会社との実証を経て、一定規模以上のコンタクトセンターの席数を有するエンタープライズを中心に販売を開始する。AIが自律的に思考し、自然な音声対話で顧客応対を行う「AIオペレーター」として、企業の業務効率化と顧客体験の両立を支援する。
近年、コンタクトセンターとインハウスの合算市場規模は2024年度中に2兆円規模に達すると予測されるなど、「問い合わせ市場」は大きな規模へと成長している。また、音声認識技術の進歩と用途の拡大によって、音声認識市場は中長期的にも高い伸びが期待され、年平均成長率(2023~2028年度)は16・9%、2028年度には300億円を超えると予測されている。
市場の成長が著しい一方で、AI導入後に成果を出すための「ユースケース設計」や「データ品質の維持・改善」が難しいという新たな課題が顕在化しており、「AIを導入しても継続的な改善が難しい」「現場運用まで定着しない」といった状況が多くの企業で発生。また日本の多くのコンタクトセンターでは、依然として深刻な労働力不足と高い離職率が続いており、対応品質の維持や業務知識の継承が困難になっている背景がある。
同社によると、X―Ghostはこうした課題に対して「自律思考型のAIオペレーター」として顧客とコンタクトセンターの現場に寄り添う仕組みを提供する。
24時間365日対応を可能にする音声対話AIエンジンを搭載し、モニタリングAIが発話やシステム挙動をリアルタイムで監視し、リスク判定やガードレール制御機能により、安全で信頼性の高い対話を実現。また音声認識・言語処理・音声合成をつなぎ合わせた従来法の課題であった情報欠損やレイテンシー、誤り伝搬を、最先端のSpeech―to―Speechモデルで解消。AIが自律的に思考することで人間らしい自然な対話を実現する。API連携機能により、会話文脈に応じてAIが顧客社内のAPIを呼び出すことも可能とする。
また企業がよりスムーズに導入できるよう、支援体制も同時に提供する。数百~数千種類に及ぶコンタクトセンターの対応業務シナリオをデータ化しやすいよう、業界別テンプレートライブラリーを反映したエンタープライズ向け導入支援ツール群を開発して、コンサルティングパートナーへ提供。株式会社JDSCや株式会社シグマクシスなど、複数のコンサルティングパートナーとの伴走プログラムを整備し、導入設計から運用・改善までをワンストップで支援し、企業は「早く・確実に・現場に定着するAI導入」を実現し、X―GhostはAIが人と共に働く、「おもてなし」をカタチにする社会基盤とする。
Gen―AX 代表取締役社長CEOの砂金信一郎氏は、「労働力不足が深刻化するなか、私たちは単にAIを導入するのではなく、AIが現場に定着し、人と共に働くための仕組みを提供している。Gen―AXは、「おもてなし」を支えるAIとして、企業の生産性向上と人の豊かさの両立を実現するAXを推進し、そして、テクノロジーの力で誰もが安心して働ける社会と、心が通う顧客体験の実現を目指していく」とコメントしている。
顧客への提案・販売は親会社であるソフトバンクが担当。複数のコンサルティングパートナーとの伴走プログラムを整備し、導入設計から運用・改善までをワンストップで支援する。今後は、SaaS拡張や多言語対応、マルチモーダルへの拡張を進めるとともに、自治体・公共領域など社会インフラ分野での実装も検討していく。
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- 主に行政と情報、通信関連の記事を担当しています。B級ホラーマニア。甘い物と辛い物が好き。あと酸っぱい物と塩辛い物も好きです。たまに苦い物も好みます。
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