ミハル通信、音楽ライブで極超低遅延を体感
ミハル通信は、「Inter BEE 2025」に出展し、ELLシステムを活用した、実力派音楽ユニットライブによるリモートプロダクションのデモンストレーション展示や、放送局向けのミニサテ装置の展示を行った。
Yamaha Sound Crossing Shibuya(東京都渋谷区)で開催した実力派音楽ユニット「コアラモード.」スペシャルライブの模様を、幕張メッセ(千葉市)のミハル通信ブース特設コーナーにライブ配信した。NHKテクノロジーズによる次世代リモートプロダクションのデモに採用された「ELL Lite」を活用し、マルチキャストVPNによる極超低遅延伝送で、音声・映像をリアルタイムに届けた。
「ELL Soundyard」は、音と映像でイマーイブな立体音響空間を実現する。ホテル、飲食店、クラブ、公共施設などで、コンサート、花火大会、スポーツ中継などのイマーシブライブ・ビューイングを体感できる。伝送システムから音響設備構築までトータルソリューションを提案している。Soundyardスピーカー、スクリーン、プロジェクター、吸音パネルなどをニーズに合わせてカスタムする。ミハル通信で開発した22・2chのマイクで収録した音をSoundyard内で立体音響を再現することができる。
「ELL Lite」は、多チャンネルPCM音声に対応した2K/4K HEVCリアルタイムコーデック。高品質な映像と音声を、極超低遅延で伝送する。非圧縮PCMの多チャンネル音声にも対応した。
主な特長は次の通り。
▽1セット(送信1台、受信1台)使用することで、2Kまたは4K映像を超低遅延で伝送可能▽12G―SDI/3G―SDI/HDMI入出力部、音声入出力部、エンコード/デコード部、IP入出力部で構成され、2K、または4K映像のHEVCコーデックが可能▽映像入出力は12G―SDI、3G―SDI、HDMI2・0を各1系統ずつ搭載▽音声入出力はSDI/HDMIエンベデッドに加え、MADI(1系統)、DANTE(1系統〈冗長〉)を搭載。映像と非同期でも音声を低遅延で伝送可能▽音声は非圧縮PCMで最大64ch入出力可能▽本器を対向で使用することで、双方向での運用が可能。遠隔地でのライブセッションなどに運用可能。
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放送局向けミニサテ装置は、ミハル独自開発の『複数波一括処理方式』により地上デジタル信号を1台で最大8波伝送できる。
このほかの特長は次の通り。
▽出荷後でも入出力チャンネルを任意に変更できる▽『アナログ+デジタル』AGCにより、送出レベルを自動で規定値に調整でき、安定運用できる▽各出力信号を遅延調整できる▽各種異常や入検/出検を接点監視装置に接続できる▽同社監視システム使用時、RF送信機やマルチチャンネル電力用(MCPA)、電源供給機(PS)の各種監視が行える。すでにCATV市場向け受信点アンプで実績がある。
この記事を書いた記者
- 元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。
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