NEC、AIで支援する緊急通報指令室技術

 NECは、12月3日に玉川事業場(神奈川県川崎市)で、「NEC Innovation Day 2025」を開催した。研究開発と新規事業における戦略説明と、AIを含む最新技術・ソリューションをデモ展示で紹介した。
 デモ展示した『状況把握から行動決定までの一連業務をAIで支援する緊急通報指令室の支援技術』は、話を理解し、次の一手を導くオペレーターの安心とスピードを両立するソリューション。
 その課題と背景は、警察・消防における緊急通報を受ける指定室業務は、高度な専門知識と経験を要し熟練オペレーターの確保・育成が課題。既存技術は、キーワードレベルでしか判定できず、複雑な会話からのリアルタイムな内容理解と行動判断が困難という。
 この技術の特長は次の通り。
 ▽複雑な会話をリアルタイムに文脈から理解
 会話のやりとりを多指標で同時評価し、文脈を深く理解。緊急時の混乱した会話でも正確に内容を把握。
 ▽判断根拠を明示し、緊急を要する現場でも信頼されるAI処理
 AIが導き出した状況判断や行動決定の根拠を明確に提示する「説明可能なAI」を搭載。オペレーターはその根拠に基づき、迅速かつ的確な対応が可能。
 ▽多様な言語とグローバル基準に対応可能
 特定業務ごとのAgentic AIが共同作業可能なアーキテクチャにより、各AIの入替・チューニングを行うだけで、様々なユースケースに迅速かつ効率的に対応。マルチ言語対応と、EU AI法など様々な基準・規格への適合が容易。

この記事を書いた記者

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。