NEC、顔・虹彩マルチモーダル生体認証技術
NECは、12月3日に玉川事業場(神奈川県川崎市)で、「NEC Innovation Day 2025」を開催した。研究開発と新規事業における戦略説明と、AIを含む最新技術・ソリューションをデモ展示で紹介した。
デモ展示した『ノンストップでも高精度に認証できるウォークスルー型の顔・虹彩マルチモーダル生体認証技術』は、世界初、1台のカメラで実現する“持たない・待たない”高速な本人認証が行える。
ここでの課題・背景は、国境審査などの厳格な本人認証が求められるシーンでは、パスポートと生体認証の組み合わせが必要なため、時間がかかり滞留が起きていること。
そこで新しい技術は『離れた場所から顔と虹彩情報を取得でき、立ち止まる必要がないストレスフリーなマルチモーダル生体認証』となっている。具体的には、3メートル離れた人物でも自然な歩行速度で通過するだけで、いつの間にか本人確認を完了する。利用者は装置の前で立ち止まったり、覗き込むなどをする必要がない。パスポートのスキャンも不要な世界を実現する。
また『構築が容易で、設置環境を選ばない』ことも特長だ。屋外や逆光、暗所、遮光による陰影がついた状況など様々な環境下でも1台の小型カメラでウォークスルー型のマルチモーダル生体認証を実現する。
さらに『1億人を瞬時に見分ける精度』とし、世界No.1の顔認証(米国国立標準技術研究所のベンチマークテストで複数回No.1を獲得)と虹彩技術を融合し高い精度を実現しつつ、瞬時に認証を完了する。
「認証における虹彩の撮影において、近赤外線による撮影は照明反射も制御しやすいため、現在の虹彩撮影はほとんどが近赤外線を利用したものとなっています。この技術では、正面のカメラが顔認証を行います。また、人が通る通路の両脇に2本の装置を置き、そこから赤外線を放射して、予め撮影してデータを取り入れてあった人の虹彩認証を行います」(NEC)。
この記事を書いた記者
- 元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。
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