「Syn Pro」が経産省 「国産基盤モデル」認定

 Upstage AI(東京都港区、松下紘之代表取締役)は、カラクリと共同で国内開発した日本語特化型の大規模言語モデル「Syn Pro(シン・プロ)」が、経済産業省および国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が推進する「GENIAC」関連プロジェクトにおいて、「国産基盤モデル」として正式に認定された発表した。
 同認定は、日本国内に開発拠点を持つ企業・大学が開発したモデルのうち、フルスクラッチ開発、追加学習、ファインチューニングを含む「国内で自立的に開発された基盤モデル」とみなされるものに付与される。「Syn Pro」は、言語的・文化的文脈まで深く最適化された日本語性能、高い安全性、そしてオンプレミス展開に対応した企業利用の実用性が評価され、国産基盤モデルとして正式にリスト掲載された。
 Syn Proは、Upstageとカラクリが日本国内で共同開発した31Bの大規模言語モデル(LLM)で、Weights & Biases Japanが運営するNejumi Leaderboardにおいて、米国・中国以外のモデルとして唯一、世界トップ20入りを達成(2025年11月20日時点)両社のベストプラクティスを掛け合わせることで、より大規模なモデルを上回る日本語精度を発揮し、金融・保険・行政など高い信頼性が求められる分野でも活用検討が広がっている。主な特長は以下の通り。
 ▽日本語精度と文脈理解に特化:カラクリとの共同開発により、日本語データ・専門領域の表現・文化的文脈に最適化。日本国内の規制・業務要件にも配慮したモデル設計により、保険・金融・法務など専門性の高い領域でも誤読が少なく、高精度な応答を実現。経済産業省認定の国産基盤モデルとして求められる安全基準にも適合している。
 ▽オンプレミス環境での完全運用に対応:外部APIに依存せず、企業内ネットワークや専用機器上でデータを外部に出さない形でのAI活用を実現。他の大規模モデルでは制限されがちなオンプレ運用においても、AIワークステーションなど、ユーザーのローカル環境で即利用できる柔軟な導入選択肢を提供する。
 ▽軽量かつ高性能:パラメータ数32B未満というコンパクトな構成ながら、Nejumi Leaderboardなどのベンチマーク指標において、より大規模なフロンティアモデルをも上回る日本語性能を記録。高性能GPUクラスタを必要とせず、企業内環境でも高いコストパフォーマンスで導入・運用できる実用性に優れる。