東芝デジタルソリューションズ、「気候変動アクション環境大臣表彰」を受賞

 東芝デジタルソリューションズ(神奈川県川崎市、島田太郎取締役社長)が提供する「気象データサービス」による雹被害の回避・軽減の取り組みが、環境省が主催する「令和7年度気候変動アクション環境大臣表彰」において「開発・製品化部門(適応分野)」で表彰された。
 東芝グループでは1955年に気象レーダ装置を納入して以来、気象レーダや観測データの情報を処理する気象観測システムなどの提供を通じて、安心で安全な暮らしの実現に貢献してきた。同社が提供する「気象データサービス」は、こうした取り組みで培った高度なデータ解析手法を活用し、気象レーダの観測データをリアルタイムで解析・予測するサービス。本サービスは、東芝グループが推進するDXの一環として、新たなCPS事業の創出を目指す取り組み「みんなのDX」にて提案されたビジネスアイデアから誕生した。
 今回の受賞は、「気象データサービス」のラインアップのひとつである「降雹予測サービス」を活用した、降雹被害の回避・軽減の取り組みが評価されたもの。近年、大規模な雹被害が激甚化・頻発化しているが、降雹は局地的な大雨と区別することが難しく、その兆候を事前に検知することは困難だった。
 同社の「降雹予測サービス」は、250m単位で実測された気象データを活用し、最大30分前に精緻で精確な降雹の予測を事前通知することが可能だ。実際にサービスを導した保険会社では、保険契約者へSMSで降雹予測アラートを配信し、人的被害や自動車損害の回避・軽減に役立てられている。雹被害に対する実効的な対応策につながっている点、さらにSNSのビッグデータを組み合わせて降雹予測の精度を向上させている技術的刷新性についても高く評価された。

 ※みんなのDX:東芝グループ内で行われているデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた取り組み。デジタルビジネス創出・デジタル文化実装の定着を目的としたピッチ大会。2019年からこれまでに計8回開催し、350件を超える応募アイデアの中から約21件の新たな事業を創出している。

この記事を書いた記者

アバター
田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。