NECと米社が気候レジリエンス強化で共創

 NECと米国のスタートアップ企業であるClimateAi社は、気候変動による影響に対するレジリエンス強化を目的とした事業共創に関する覚書(MoU)を締結したと発表した。
 ClimateAi社の気候リスク予測技術と、NECのアグリテックとAI・データ分析・最適化の知見を融合し、気候変動適応に関わる意思決定に直結するソリューションを提供する事業の構築を目指す。
 両社は、次の領域での事業開発を協働で推進することを合意した。
 ▽農業分野における気候変動適応策の投資対効果(ROI)分析
 ClimateAi社の長期気候変動予測技術と、NECのアグリテック事業で培ったノウハウを組み合わせ、品種変更や灌漑設備導入などの適応策を実行した場合の収量及び投資対効果を分析するサービスの開発を目指す。また、土地ごとに異なる気候変動の影響を踏まえて、経済的観点から最適な適応策を分析し、国際機関、開発銀行、各国政府による農業支援の高度化を支援することを目指す。
 ▽気候変動適応の観点から見たサプライチェーンのレジリエンス強化
 農産物を主な原料とする製造業(食品や飲料メーカーなどを想定)に対して、調達先最適化や、調達先農場のレジリエンス向上などを支え、産業の気候変動適応を支えるサービスの実現を目指す。これら産業に限らず、様々な産業のサプライチェーンや調達の意志決定を支援することを目指す。
 ▽金融サービスや保険を含む、他産業向けデジタルソリューション
 農業保険など、気候変動に適応するために求められる金融サービスの高度化や、他産業における気候変動適応データのユースケース探索を実施し、事業領域拡大の検討を行う。

この記事を書いた記者

アバター
田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。