東芝デジタルソリューションズ、AI画像自動検査で欠陥判定

 東芝デジタルソリューションズ(神奈川県川崎市、島田太郎取締役社長)は、製造業の検査工程における外観検査自動化をサポートする「Meister Apps AI画像自動検査パッケージ」の新バージョンの提供を開始したと発表した。新バージョンでは、外観検査自動化における課題である「過検出」を抑制する「欠陥判定最適化手法(特許出願済)」を新たに採用し、機能を大幅に強化した。素材、医薬品、自動車、電子部品など、幅広い業界で活用可能だ。

 過検出とは、製品に問題がないにもかかわらず、検査装置が不良(NG)品と判定してしまう現象。不良品の見逃しを防ぐため、判定閾値を厳しく設定することが主な原因だ。過検出が発生すると、再検査にかかる作業や廃棄費用が発生し、生産効率の低下やコスト増につながる。
 新バージョンに採用した「欠陥判定最適化手法」は、外観検査における画像判定において、従来から提供しているAIによる「良品学習機能」に、特徴量解析を用いた補正・分類処理などを組み合わせることで、欠陥ごとに最適な閾値で判定できる仕組み。
 欠陥判定最適化手法のポイントは次の通り。
 ▽欠陥画像の位置や輝度のばらつきを補正し、同一条件で判定可能
 ▽欠陥部分から抽出した特徴量に基づいて分類
 ▽分類パターンごとに良品閾値を設定して判定
 同手法により、外観検査装置で検出された欠陥画像の過検出を抑制し、再検査に要していた作業工数を大幅に削減できる。さらに検査員による検査品質のばらつきや目疲れなどによる見逃しを抑止し、真の欠陥画像の見逃し防止にもつながる。
 外観検査自動化における主要課題である「過検出」の抑制を実現し、製造現場の生産性向上、設備稼働率改善、品質向上に貢献する。

この記事を書いた記者

アバター
田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。