NEC、危険予兆をAIで 改善アドバイス生成

 NECは、AIやLLM(大規模言語モデル)を活用した映像分析において、明文化されていない危険の予兆を捉え、改善アドバイスを自動生成する技術を世界で初めて開発したと発表した。
 この技術は、物流・運送や製造などの現場映像を分析し、明文化されていない危険の予兆を捉え、根拠となる映像シーンを示し、危険回避に役立つアドバイスを文章で自動生成する。これにより、物流業のドライバー向け安全運転指導や、製造業の現場作業指導などにおいて、指導の標準化や属人化の解消、業務改善を実現し、効率的な人材育成のDXを推進する。NECは、2026年度中にこの技術を実用化することを目指す。

 本技術の特長は次の通り。
 1. プロンプトで明記されていない危険に関する予兆も映像から捉え、危険回避に繋がる作業中の判断や行動を時系列で可視化
 同技術では、NEC独自の映像認識AIとLLMを活用し、作業内容についてフィードバックを求めるプロンプトを入力すると、作業映像からプロンプトに明記されたシーンだけでなく、映像上の状況変化を捉え、危険回避に繋がる判断や動作などの、プロンプトに明記されていないシーンも含めて時系列で可視化する。AIは無関係なシーンを排除し、作業の流れに関係する判断や重要な確認動作も逃さず、抽出する。
 得られた認識結果をLLMで分析することで、人材育成の現場において、利用者が作業の改善アドバイスを求めた際に、プロンプトに明記された直接的な危険の原因だけでなく、直接的には示されていないものの、問題の発生に関係のあるシーンも特定し、その内容に応じた改善提案の文章を自動生成できる。

 2. AIの事前学習が不要で、現場で容易な導入が可能
 同技術で用いたAIは視覚言語モデル(VLM)を活用しており、あらかじめ現場映像データを使った作業内容の定義付けや、専門知識を体系化。
 学習させる必要なく、多様な映像を詳細かつ時系列で認識できる点が特長だ。これにより、現場の担当者は特別な準備を行うことなく、安全指導や作業指導に同技術を容易に導入できる。また、AIが分析・生成した改善アドバイスは、根拠となる映像シーンとともに提示されるため、限られた時間でも効率的な指導や振り返りが可能だ。

この記事を書いた記者

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。