日立、フィジカルAI体験スタジオ公開
日立製作所は3月23日、同社の協創施設「Lumada Innovation Hub Tokyo」(東京都千代田区)内に開設した「フィジカルAI体験スタジオ」を報道陣に公開した。稼動開始日は4月1日。
同スタジオは、顧客やパートナーとの協創を通じてフィジカルAIの社会実装を加速させるための戦略拠点。AIで社会インフラを革新する次世代ソリューション群「HMAX by Hitachi」(HMAX、エイチマックス)を核として、生産性・品質・安全といった課題を迅速に解決し、新たな価値を創出する。
会見で吉田順AI CoE HMAX&AI推進センター本部長兼Chief AI Transformation Officerは「まだフィジカルAIを理解できていない、実際にどのように動くのかわからない、自社でどのように活用すればいいかわからない―というお客さまの声がある。フィジカルAI体験スタジオはフィジカルAIについて知る、実際に動くものを見て理解する、ディスカッションする場だ。フィジカルAIの社会実装をお客さまと協創する場として活用してほしい」と述べた。
現在、注目が高まるフィジカルAIは、現場のデータから得られたAIの分析・判断を、ロボットの制御や設備の自動操作といった具体的なアクションにまでつなぐ技術。このサイクルを繰り返すことでAIは継続的に学習し、状況に応じた最適な判断と実行が可能になる。同スタジオは、フィジカルAIがもたらすITとOTを連携させた価値創出のサイクルを、顧客の課題解決へとつなげる協創の場とし、日立の研究開発グループが開発した現場作業員を支援するロボティクスAIや、日立の人計測センサー技術とGlobalLogic社のソフトウェア開発力を融合したウェアラブルセンサーなど最先端の技術を体験することが可能だ。そして、日立のAIアンバサダーなどプロフェッショナル人財が、顧客のビジョンや課題を深く掘り下げ、HMAXなどを活用した具体的な解決アプローチの策定まで一貫して伴走支援するとしている。
会見では最新のフィジカルAI技術として、ロボティクスAIのデモンストレーションを行った。フィジカルAIを基盤に熟練者の作業動作を模倣学習するロボットを通じて、AIが実現する、複雑・繊細作業の自動化の核心技術を紹介した。
ひとつは、ケーブル敷設作業の自動化のデモ。業務用エアコンのケーブル敷設作業をフィジカルAI技術で自動化した。ケーブルを3ヵ所のクリップに挿入→動かすたびに形状が変わる柔らかいケーブルを掴み、ミリ単位の精度が求められるクリップ挿入を素早く実現。こうした動きをデモで見せた。使用している技術は継続学習技術、高速推論AIモデル。
二つ目は、部品ピッキング作業の自動化のデモ。部品の摘み取り(ピッキング)作業をフィジカルAI技術で自動化した。トレイに乗った部品を右手でピッキングし左手で保持した箱に挿入→右手を伸ばさないと届かない位置に部品がある場合に、作業しやすい位置に自律的に移動。こうした動きをデモで見せた。使用している技術は継続学習技術、全身協調動作学習技術。
写真は ケーブル敷設作業の自動化のデモ
この記事を書いた記者
- 元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。
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