NEC、水中物体を検知 監視センサー

 NECは、水中で接近する物体を検知する小型の可搬型かつリモート運用を可能とした水中監視センサーを開発し、実環境での実証に成功した。本センサーにより、港湾や電力施設などの重要インフラのほか、ソーナーを搭載していない船舶や洋上施設などの周辺の水中を監視し、ダイバーや水中ロボットなどの接近を早期に察知する。NECは本センサーの製品化に向けて開発を進め、2027年度中に提供を開始する予定。

 本センサーの特長は次の通り。
 1. 水中センサーの小型化による導入負荷の軽減
 NECはこれまで、海底設置型の水中監視センサーを提供してきたが、海底での大規模な設置工事に伴う導入のハードルの高さや、設置スペースの確保といった運用上の制約などの課題があった。そこで、今回、水中センサーを体積比約10分の1に小型化し、可搬できる大きさとした。
 また、従来は複数の機器で構成されていた操作部をコンポーネント化することで、操作・表示装置の体積を大幅に縮小し、船舶への搭載も可能とした。これらにより、導入時のコスト削減と期間短縮を実現し、幅広い顧客への提供を可能とした。

2. 独自の信号処理技術により、複雑な環境音が発生する水中でも高い検出能力を実現
 一般的に、水中での音波探知は、航路や沿岸部など周囲の雑音が多い環境では困難とされている。なかでも湾内や港内などは水深が浅く、経済活動圏に近いことから、さまざまな周波数の音波が入り乱れる環境であるため、目的の音響信号を抽出するには高度な信号処理技術が必要だ。 センサーは、NECが長年にわたりソーナー開発で培った信号処理技術を用いることで、複雑な環境音の中でも目的の信号を的確に抽出することが可能。これにより、高い検出能力を実現している。

 NECは、2026年2月に長崎県の港湾で本センサーを用いた実環境での実証を行った=写真。その結果、数百メートル離れた場所からダイバーと水中航走体を検知することに成功した。

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田畑広実
元「日本工業新聞」産業部記者。主な担当は情報通信、ケーブルテレビ。鉄道オタク。長野県上田市出身。