令和7年度総務省所管予算概算要求を発表
総務省は令和7年度所管予算の概算要求の概要を発表した。一般会計総額は18兆8327億円で、前年度予算額と比較して6221億円増(3・4%増)となった。情報通信関連では、「能登半島地震の教訓を踏まえた国民・住民の安全・安心の確保」に向けた通信・放送インフラの強靭化(617・2億円)や、「信頼できる情報通信環境の整備」に向けたサイバーセキュリティ対策の強力な推進(75・7億円)等を求めた。
情報通信関連の主な予算概算要求は次の通り。
【能登半島地震の教訓を踏まえた国民・住民の安全・安心の確保】
通信・放送インフラの強靭化として617・2億円を要望。新規事情として、携帯電話基地局の強靱化、復旧体制の拡充、非常時の事業者間ローミングの実現に54・4億円、地上基幹放送の小規模中継局等のブロードバンド代替等の支援に11・1億円を計上した。このほか重要政策推進枠に関する要望として、地上波・ケーブルテレビネットワークの耐災害性強化に16・5億円、自動運転の社会実装を促進するためのデジタル基盤整備に15・0億円、非地上系ネットワーク(NTN)の展開の促進に0・3億円を盛り込んだ。
【地域経済の好循環と持続可能な地域社会を実現するための地方行財政基盤の確立と地域経済・社会の活性化】
AIや自動運転等の先端技術・データ等を用いた地域社会DX推進パッケージやテレワーク普及展開推進事業として、17・3億円を要望した。
【信頼できる情報通信環境の整備】
デジタル空間の健全性の確保等として、インターネット上の偽・誤情報等の流通・拡散に対応すべく、実態調査や被害者の相談対応、偽・誤情報等対策技術の開発・実証及び社会実装の推進の実施に向けて20・0億円、電気通信サービスの不適正利用対策の推進、電気通信番号制度の見直しに4・2億円を要望した。
誰一人取り残されない デジタル社会の実現(デジタル・ディバイド対策)として、高齢者等に向けたデジタル活用支援の推進に26・3億円。新規事業として、住民の利便性向上と、業務効率化による職員の相談対応業務などへのシフトにより、丁寧な窓口対応を希望する住民に寄り添える体制を構築する自治体フロントヤード改革の推進に9・4億円を要望に盛り込んだ。
サイバーセキュリティ対策の強力な推進に向けた新規事業として、生成AI等を活用したセキュリティの確保に20・0億円を盛り込んだ。サイバー攻撃対処能力の向上に向け、サイバー脅威情報の収集・分析や生成 AI 等を活用した攻撃インフラの検知の精緻化・迅速化を行うとともに、セキュリティ分野におけるAIの安全かつ効果的な開発・提供に向けたガイドラインを策定等のほか、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)と米国等の様々な専門機関との連携によるAI安全性の研究開発を実施する。
このほか、国や自治体、医療分野等でのセキュリティ人材育成に21・5億円、政府端末情報を活用したサイバーセキュリティ情報の収集・分析に13・0億円等を要望に盛り込んだ。
(全文は9月6日付紙面に掲載)
この記事を書いた記者
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