野田総務大臣が5Gイベントを視察

 野田聖子総務大臣は5月11日、東京都港区の国際赤坂ビルで開催した「5G PREMIUM SHOWCASEⅡ」(主催・NTTドコモ)を視察した。NTTドコモは、受信時最大10Gbpsを実現する次世代移動通信システム「5G」の研究開発を推進、2020年の商用サービス開始に向け、国際標準化団体を主導している。①高速大容量②低遅延③多数端末との接続―の特長を生かし、新たなサービスの創出に取り組む。 会場では、「建設機械の遠隔操作Ⅱ」を展示。日本では人手不足が課題となっている。高速・低遅延な5G無線技術を用いることで、離れた場所から安心・安全に建設・鉱山機械を操作できる遠隔制御システムの実現が可能となる。遠隔操作端末は、今後セキュリティ強化により、さらなる小型化も可能。野田総務大臣は、千葉市にある建設作業現場のブルドーザーをデモ会場から遠隔操作した。作業機の前後左右に各1台設置したカメラからの画像を映したモニターを見て操作する。通常なら10年かかる操作技術だが、作業機を自動化することで、誰でも図面通りに実現できる。野田総務大臣がオートモードで遠隔操作すると、自動化されたブレードにより路面がきれいに施工された。野田総務大臣は「このようなテレワークなら、私達女性でも家にいながら操作できるので、夢見たいな時代が来そうですね」と話した。 「次世代移動診療車による遠隔診療~遠隔妊婦検診~」では、会場内の移動診療車と総合病院を5Gで接続し、移動診療車と病院とのインタラクティブなやりとりで妊婦検診を実演した。人口減少や過疎化に進行により益々拡大する都市部と地方との医療格差を解消するのが狙い。妊娠6ヵ月の妊婦さんが赤ちゃんの動きが少ないため受診した。患者が今までスマホアプリで取っていたデータを基に診察を開始した。医師は「ちょうど21週に入ったところですね。体重もみられるようですが、20週時点で6㌔㌘の増加なので順調な発育です」と話した。妊婦さんのお腹にエコーを当てると、「BPDが50㍉なので問題ない」(医師)。体の各パーツを確認するため、4Dエコーに切り替えると、「よく発育している。胎児については問題ない」(医師)。診察が終わると、妊婦さんは「移動診療がリアルタイムに、エコーも鮮明に送れるのはとても有用だと思う」と感想を述べた。野田総務大臣は「最近、離島の妊婦さんが生む1ヵ月前くらいから病院にいなくてはならない環境にあるのを聞いて、どうにかしなければならないと思っています。胎児の頃はお母さんも心配ですが、今は胎児の期間に色々なことが分かるので、とても良かったと思います。遠隔なのに、隣の部屋で話しているような感じでいいです。5Gで送ったエコーの画像は、私が7年前にエコーで見た画像と比べてとてもクリアで、微細な問題点も分かるので安心しました」と話した。また、野田総務大臣は、「人型ロボットによる遠隔操作Ⅱ」、「分身ロボットによる擬似旅行」、「5G無線基地局とビーム可視化」等の展示を視察した。